会見リポート
2024年10月09日
13:30 〜 14:30
10階ホール
旧ジャニーズ性加害問題 当事者 会見
会見メモ
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.=スマイルアップ)が、創業者であるジャニー喜多川氏による性加害を認める会見を行ってから、9月7日で1年がたったことを受け、性被害を訴えてきた志賀泰伸さん、長渡康二さん、中村一也さんが登壇。この間の思いを話すとともに、スマイルアップ社に対し、被害の全容解明や誹謗中傷対策の徹底を求めた。
会見では、被害当事者の一人である服部吉次さんと妻の石井くに子さんからのビデオレターと、アイルランドに移住した二本樹顕理さん、昨年10月に死去した「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバーの遺族からの手紙が紹介された。
司会 早川由紀美 日本記者クラブ企画委員(東京新聞社)
※写真左から志賀泰伸さん、長渡康二さん、中村一也さん
会見リポート
「全容の解明されていない」
島崎 周 (朝日新聞社東京社会部)
「問題は風化の一途をたどっているが、未来の子どもたちが被害に遭わないために、声を上げ続けていかなければいけない」
故ジャニー喜多川氏からの性被害を訴えてきた当事者は、会見を開いた理由についてこう語った。この日会見に登壇した3人は、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.社)が性加害を認めたことを受け、被害当事者が開いた昨年9月の会見にも出席していた。1年前の表情とは異なり、沈んで見えた。
当事者たちは、スマイル社によって被害の時期や背景といった全容の解明がなされていないと指摘。「補償金さえ払えば終わりとするのではなく、全容解明をした上で、再発防止策を打ち出すべきだ」と語った。
また、昨年10月以降、同社がこの問題で記者会見を開いていないことについても触れ、「実態は不透明のままで、あまりにも不誠実だ」と批判した。
この日は、被害を告白した後に誹謗中傷を受け、昨年10月に自死した40代男性の妻からの手紙も読み上げられた。「夫も私たち家族も、心ない言動、誹謗中傷などで二次被害に遭ってきたが、少しでも未来の子どもたちが過ごしやすい世の中になるように願っている」と伝えられた。
会見では、この1年を振り返っての思いを尋ねた。アイドルグループ「忍者」元メンバーの志賀泰伸さんは、時折声をつまらせながらこう答えた。「実名顔出しで被害を告白してからはものすごい数の誹謗中傷があり、本当に苦しかった。この1年は『なんとか生きてきた』というのが正直なところだ」
これだけ苦しい思いをしてきた被害者たちが、なぜこの場に立たなければいけないのか。そう感じざるを得なかった。この問題はまだ終わっていない。だからこそ、記者としてできることは書き続けることだと、改めて感じた。
ゲスト / Guest
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志賀泰伸 / Yasunobu SHIGA
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長渡康二 / Koji NAGATO
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中村一也 / Kazuya NAKAMURA