2024年02月27日 13:30 〜 14:30 10階ホール
「<政治とカネ>を問う」(5) 愛知治郎・元参議院議員

会見メモ

愛知治郎さんは、2001年の初当選から3期にわたり、派閥に属すことなく参議院議員を務めた。

平成の政治制度改革の問題点を語るとともに、派閥とカネ、選挙制度のあり方などについて話した。

 

司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信)


会見リポート

政治資金の透明性を/政策活動費の使途公開も訴え

中川 雅晴 (中国新聞社東京支社編集部)

 宮城県選出の自民党参院議員を3期18年務めた愛知治郎氏が政党の裏金と指摘されている政策活動費の使途を公開し、政治資金の透明化を徹底するよう訴えた。「(透明性を図り)有権者がその是非を判断できることが大事だ」と語った。

 愛知氏は、2019年の参院選中に甘利氏が宮城へ来援した際、愛知氏の後援会幹部が100万円入りの封筒を受け取ったと説明。「しかるべき立場の人。党からのカネと思った」と語り、自身の収支報告書に記載したと述べた。

 しかし、この100万円は自民党や甘利氏の関係政治団体の政治資金収支報告書に載っていない。党が党幹部に渡し、使途報告の義務がない政策活動費の可能性が高い。

 政策活動費は金額は自民党が突出して多く、国政選挙の年に増額している。甘利氏は参院選前の19年1~6月に計8060万円の政策活動費を党から受け取っている。

 愛知氏は甘利氏の100万円について「記録に残らない。時代にそぐわない昭和のあしき慣習だ」「裏金は徹底的に根絶すべきだ」と批判。政治資金を全て振り込みにし、記録の残る形で運用すべきだと訴えた。

 政策活動費と同様に使途の公開義務がない官房機密費にも言及。「国にとって表に出さないカネは絶対に必要。なくすことはできない」としながらも、使途が将来にわたって公開されない現在の仕組みを問題視。30年後に使途を公開する制度に変えるべきだと提案した。

 政治資金パーティー裏金事件の舞台となった派閥の在り方にも提言。参院議員当時、無派閥だった愛知氏は「派閥がポストに議員を推薦する一方、問題が起きても責任を取らず、政治不信を招いている」と指摘。リクルート事件や派閥政治への批判を受けた政治改革で、1994年に導入された小選挙区比例代表並立制の選挙制度の見直しも訴えた。


ゲスト / Guest

  • 愛知治郎 / AICHI Jiro

    元参議院議員 / former member of the House of Councilors

研究テーマ:<政治とカネ>を問う

研究会回数:5

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