2019年04月11日 14:30 〜 16:00 9階会見場
「朝鮮半島の今を知る」(25) 陳昌洙・世宗研究所主席研究員(前所長)

会見メモ

司会 五味洋治 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

日韓は戦略的妥協で「最悪脱皮を」

五味 洋治 (企画委員 東京新聞論説委員)

 元徴用工をめぐる韓国での判決などをめぐって日韓関係は「過去最悪」と表現される。そんな中、昨年秋から日本の大学で教えてきた陳昌洙・世宗研究所主席研究員は、日本のメディアから共通して受ける質問があるという。

 文在寅大統領は北朝鮮ばかり向いて、日本に無関心。むしろ反日をあおっている―。

 これはメディアだけではなく、日本における一般的な受け止めかもしれない。

 陳さんは、「北朝鮮政策を優先しているのは確かだが、対日政策で何か決定することに戸惑っている状況だ」と説明した。

 その理由について陳さんは、3つを挙げた。

 1.トランプ米政権は日米韓の3カ国の協力体制を重視しなくなり、日本と韓国の外交戦略が一致しなくなった。2.このため、日韓が「サッカーゲームのような」勝負関係になってきた。3.日韓の首脳が、本音ベースの意思疎通ができておらず、不信感だけが高まっている。

 説得力ある分析だ。たしかに日韓は、米国の関心を自国に向けるため競争しているように見える。陳さんは、最近の日韓関係を「ニュー・ノーマル」と呼んでいる。

 かといって「外交の戦争」に発展させてはならない、と陳さんは強調した。

 日本が、社会体制の違う中国と国益の観点から「戦略的関係」を結んでいることを例に挙げながら、「韓国も日本も、戦略的妥協が必要だ」と柔軟性を求めた。

 「できれば首脳会談を行う。できないのなら特使を派遣、関係改善の意思を示すべきだ」とも提言した。関係をさらに悪化させないための方法の1つだろう。

 また元徴用工の救済についても「韓国政府と韓国企業が対応すべきだが、それだけでは韓国内の世論は収まらない」として、日本企業も協力する、いわゆる「2プラス1」が唯一の解決方法だと話した。

 日韓の政府関係者は、2つの国をよく知る陳さんの話に耳を傾けてほしい。


ゲスト / Guest

  • 陳昌洙 / Jin Chang Soo / 진창수

    韓国 / Korea

    世宗研究所主席研究員(前所長) / Director, Center for Japanese Studies, Sejong Institute

研究テーマ:朝鮮半島の今を知る

研究会回数:25

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