2018年11月22日 10:00 〜 11:00 10階ホール
大谷翔平選手 会見

会見メモ

米大リーグ、ア・リーグ新人王を獲得した大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)が会見した。

 

司会 宮内正英 日本記者クラブ企画委員(スポーツニッポン新聞社)


会見リポート

今後も投打二刀流挑戦を明言

角田 直哉 (毎日新聞社運動部)

 冒頭のあいさつに、大谷翔平選手の人柄がにじみ出ていた。

 「シーズン中から多数の取材の要望をいただいていたが、1年目で集中したいということもあり、なかなかお応えする機会がなかった。今日はシーズンのことや、術後の経過も、お答えすることができればなと思う」

 リップサービスはほとんどない。だが、どんな質問も誠実に受け止め、自分の言葉で答える。その姿勢は、米大リーグで日本選手として17年ぶりの最優秀新人という栄誉を手にしても、まったく変わっていなかった。

 10月1日にじん帯再建手術を受けた右肘の状態が、注目された。大谷選手は「肘にメスを入れることに抵抗はあったが、不安なく自分のパフォーマンスを出せるようになるのが一番」と決断の理由を語った。1カ月は日常生活でも苦労したが、現在はそのようなこともなく、経過は順調という。実戦復帰の時期については「リハビリの進み具合で変わる」と慎重だったが、今後、投手と野手どちらかに絞る可能性を問う質問には「今の段階では全く考えていない」ときっぱり。今後も投打の二刀流に挑戦し続けることを明言した。

 向上心が強い男だ。当初は「思った以上に技術が進歩している。自分が変わらないと、ついていけない」と日米の野球の差を感じた。それでも「一番経験してきた人に話を伺いたい」とマリナーズのイチロー選手を訪ねたり、開幕直前には「結果が出ず、内容も手応えがなかった」と打撃フォームにも手を加えた。この行動力と変化を恐れない姿勢も、1年目からの飛躍の要因なのだろう。

 300人超の報道陣を前に、「らしさ」も貫いた。1年間を英語で振り返ってほしい、との要望には「できません」とニッコリ。来季の愛称や、日ごろの食生活に関する質問も淡々と答えた。結婚の予定は「全くないです」。野球以外に関する話題では、まったく「隙」を見せない姿は、いかにも大谷選手らしかった。

 大谷選手の日本記者クラブでの会見は、2017年11月11日の大リーグ挑戦表明以来。当時は「一番の選手になりたい」という言葉が印象的だった。1年の時を経て、大谷選手は一回りも二回りも大きくなって帰ってきた。「始めたころから野球が好きだし、そこは変わることなく来ている。今年も毎日、球場に行き、プレーするのが楽しかった。小さいころからの延長線」。来季はどんな「SHO TIME」を見せてくれるのか。期待を早くも膨らませたくなるような、濃密な1時間だった。

 


ゲスト / Guest

  • 大谷翔平 / Shohei Otani

    ロサンゼルス・エンゼルス選手 / Baseball player, Los Angeles Angels

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