2018年06月15日 16:00 〜 17:00 10階ホール
野田聖子・総務相 女性活躍担当 会見

会見メモ

女性活躍担当の野田聖子大臣が、6月12日にまとめたセクハラ緊急対策などについて話した。

 

 

司会 福本容子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

実行力問われる総裁候補

南 彰 (朝日新聞社政治部)

 今秋の自民党総裁選で立候補が取り沙汰されている候補の先陣を切って、野田聖子総務相が登場した。

 昨年の入閣時には安倍晋三首相から「耳の痛い話もしっかりと直言してくれる」と期待された野田氏。前財務事務次官のセクハラ問題を受けた政府の対策を説明したこの日の記者会見でも、週刊誌報道の当日朝に「事実であればアウト」と首相に対応を促したエピソードを披露した。

 野田氏も衆院選に落選した浪人時代に有権者からのセクハラに苦しんだ経験があったという。「私自身がセクハラに対峙できたわけではないという心残りをずっと抱えて生きてきた」と自らの弱さを率直に明かした上で、「女性政策というと矮小化され、色々な政策の一つと思われがちだが、日本に残った最後の岩盤規制で基本的にはOSを変えるような話だ」と政治や社会の発想を根本から変えていく必要性を訴えた。その問題設定には説得力がある。

 しかし、実際に政府で取りまとめた対策には疑問符が付いている。

 罰則を設ける法整備について野田氏は「検討する」と言及していたが、「いきなり作ったら大混乱する」と後退。一方で、取材規制につながりかねないと危惧される記者クラブと省庁との協議の場の設置が盛り込まれ、女性記者から厳しい質問が相次いだ。二次被害をもたらしたと批判された麻生太郎財務相の言動への認識も問われたが「独特のキャラクター」と歯切れが悪かった。

 最後の質問では「総裁選に出るのが前提のようなやりとりになっているが、なぜ、いま総裁選に出ようと思っているのか」と根源的な質問をぶつけられていた。

 政治や社会を新時代のOSに変えるという意気込みと、それを貫徹する実行力。両者の乖離を埋めて、「総裁選立候補者」として再び会見場に戻ってくることができるのか。野田氏の課題が見えた会見だった。


ゲスト / Guest

  • 野田聖子 / Seiko Noda

    日本 / Japan

    総務相 女性活躍担当 / Minister for Internal Affairs and Communications, Minister in charge of Women's Empowerment

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