2014年12月16日 16:00 〜 17:00 10階ホール  
吉川元偉 国連大使  記者会見

会見メモ

一時帰国中の吉川元偉大使が「日本の国連外交 現場からの報告」のテーマで話した。

司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事


会見リポート

10月に非常任理事国選 「選挙は最も重要な仕事」

岸田 芳樹 (時事通信外信部長)

今年、設立70年を迎える国連は、世界唯一の普遍的な国際機関に成長した。数々のノーベル平和賞受賞歴が国連の実績を物語っているが、舞台裏では大国の利害が対立し、激しい外交戦が展開されている。

 

敗戦国として1956年に遅れて国連加盟を果たした日本は、安保理非常任理事国の議席を選挙で勝ち取り、日本人を関係機関のトップなど重要ポストに就けることにより、発言権・影響力の確保に努めてきた。「公選法のようなルールはなく、大使同士、国同士の信頼関係をベースにして戦っている。選挙は国連大使の最も重要な仕事」と語る吉川大使からは、「選挙戦」の苦労がうかがえる。日本が今年10月の非常任理事国選挙で選ばれれば、最多11回目の当選となる。

 

国連でも中国の存在感は高まっている。常任理事国の中で最も多くの平和維持部隊を出しており、世界保健機関(WHO)を含む3つの専門機関の事務局長職を確保するなど、積極的に人材を送り込んでいる。負の側面として吉川大使は、安保理での拒否権について、以前は中国が「核心的利益」と訴える台湾問題に限られていたが、最近はロシアとの協力関係を深め、シリア問題など行使の範囲が広がっていることを挙げた。


ゲスト / Guest

  • 吉川元偉 / Motohide Yoshikawa

    日本 / Japan

    国連大使 / Ambassador Extraordinary & Plenipotentiary, Permanent Representative of Japan to the United Nations

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