1990年05月26日 00:00 〜 00:00 10階ホール
盧泰愚・韓国大統領

会見メモ

厳戒下で盧大統領昼食会

・・・手を振りながら去っていく盧泰愚大統領を見送りながら、爽やかな感動が心の中に残った。日本記者クラブとして初めて迎えた韓国大統領。5月26日の昼食会で盧大統領は、にじみ出る人柄と穏やかな口調で満場を魅了した。
日本記者クラブを訪れるのは、盧大統領の強い意向だったという。まだ大統領候補だった2年8か月前の87年9月、盧さんはクラブを訪れて「韓国大統領としてこの場所を再度訪問する」と約束、その言葉を守ってくれた。
極左から極右、さらに北の反対。不穏情報も飛び交う中での訪日だけに、クラブも厳戒態勢の渦に巻き込まれた。訪日が正式に発表されるのが待ちきれぬように、5月初めから次々に韓国側の先遣隊が訪れ、警備当局、外務省とも連日協議が続けられた。
警察側としては、最初、当クラブの会員も、昼食会出席者は外務省発行のIDカードを付けるよう要求した。しかし「日本記者クラブは会員が組織。会員が賓客として招待する以上、会員証が優先する。ダメならば主催はお断りする以外にない」と拒否、結局、クラブの主張が通った。
金属探知機まで持ち込まれての二重、三重のチェックに、当日はさぞ不愉快な思いをされた方々も多いと思う。日本プレスセンタービルの全テナントにも、事前の検索その他、ご迷惑をおかけした。ここでお詫び申しあげるとともに、ご協力に感謝したい。
水上理事長が、会の最後にご披露したように、盧大統領の記念署名は「真実一本」。韓国関係者に聞くと、真実に向かって一筋にという意味と真実はただ一つという両方の意味にとれると言う。盧大統領が「韓日両国が歴史の真実を共通に認識することができた」と力説していたことを考えると、後者の意と解した方が良いと思うのだが。・・・

日本記者クラブ会報1990年6月号1ページから引用。同号12~13ページに特集があります)


ゲスト / Guest

  • 盧泰愚 / Roh Tae-woo

    韓国 / South Korea

    大統領 / President

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