2004年08月03日 00:00 〜 00:00
千正培・韓国ウリ党院内代表

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会見リポート

未知数の大統領候補

安尾 芳典 (共同通信編集委員)

韓国の「開かれたウリ党」が4月の選挙で、一挙に過半数を制すると、日本では「ウリ党とはなんだ」という戸惑いに似た関心が高まった。

1961年に故朴正熙大統領がクーデターで実権を握って以来、この43年間の流れを引き継いできた保守党が総選挙で敗れたのは初めてのことだ。その「快挙」を成し遂げたウリ党だが、日本ではまだなじみが薄い。

ウリ党が過半数を制し、与党に進出すると、保守勢力からは「北朝鮮化する韓国」といった見方が次々と出てきた。今回の総選挙で当選したウリ党議員の7割は新人で、多くは学生運動や民主化運動の出身者だったからだ。

一方で、日本とのつながりのある議員も皆無に近い。日韓関係はどうなるのだろうかとの懸念が日本側から出ても不思議はない。

その党のナンバー2として、一躍注目を集めているのが千正培・院内代表だ。学歴を見ても超エリートだ。東大に当たるソウル大学の法学部を最優秀の成績で入学したことは、学歴社会の韓国では重みがある。金大中前大統領に見込まれ、96年に人権派弁護士から政界入りした。

記者会見で、意地悪い質問にもそつなく答え、49歳の若さながら将来性をうかがわせた。

当然、韓国では次期大統領候補との期待もある。千院内代表は「ウリ党は中道政党であり、左派ではない」としたうえで、大統領候補については「政治的な野心は民主政治改革の障害になる」と、否定的だ。

韓国のマスコミには、政治家としては純粋すぎ、院内代表としてもう一皮むけるかが課題と指摘する声もある。来日もそのための訓練だったが、まずまずの出足と言えよう。

ゲスト / Guest

  • 千正培

    韓国 / Korea

    ウリ党院内代表 / The Uri Party

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