会見リポート
2026年10月02日
16:00 〜 17:30
10階ホール
「ハマス・イスラエル衝突」(11) 錦田愛子・慶應義塾大学教授
会見メモ
ガザ地区でイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が勃発して間もなく3年を迎える。パレスチナ問題を専門とする慶應義塾大学教授の錦田愛子さんが「『10.7』から3年 強まるイスラエル批判と停滞するガザ戦争の終結プロセス」と題し登壇した。「停戦」に至ったものの、散発的な戦闘が続くガザの現状、膠着状態のまま進展をみない戦闘終結プロセス、そして、国際社会によるイスラエル批判の高まりに対し、対外姿勢を硬直化させるイスラエルなど、開戦から3年後の現状と、今後の行方を考える上でのポイントとなるイスラエルの総選挙、アメリカの中間選挙、パレスチナ立法評議会選挙について解説した。
司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)
会見リポート
現実的問題の優先解決を
片野 裕之 (毎日新聞社外信部)
パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まって3年、停戦が発効して1年がたった。散発的な戦闘が続き、和平プロセスが進まない現状について、慶應義塾大学の錦田愛子教授は記者会見で「検問所をもっと開いて復興資材を入れるなど現実的な問題を先に解決すべきだ」と指摘した。
2023年10月7日のハマスによる越境攻撃を機にイスラエルによる報復が始まり、ガザ保健当局によるとこれまでにガザで7万4000人以上が死亡した。
25年10月10日の停戦発効後もイスラエル軍は攻撃を継続。錦田氏はその理由について、ハマスが軍備強化を進めている可能性を挙げ、「イスラエルとしてはその兆候に基づいて攻撃している」とみる。
一方、イスラエルを非難する国際世論は高まっている。約1200人が殺害され、251人が人質となったイスラエルに対して戦闘開始直後は「批判が表に出づらかった」が、最近は「ガザでの人権侵害を無視できないという声が前景化している」と分析。そんな中、対外姿勢を硬直化させるイスラエルはメディアを多用して自己の立場を強調する「ハスバラ戦略」を展開しているという。
和平プロセスは、ハマス側の人質引き渡しなどの第1段階を終えた。しかし、イスラエルは「ハマスの完全な武装解除」、ハマスは「イスラエルの完全撤退」を先に要求し、足踏み状態が続く。錦田氏は停戦を「形式上維持されている」と評価するが、双方の主張の実現は「結構先の目標になる」と予測する。
26年1月に発足した統治機構「平和評議会」を主導するトランプ氏を巡っては、「ガザへの関与を政治的に利用しようとしている」とみる。一方で、「国際社会がロードマップを推進し、具体的成果を出させることが重要だ」と各国が米国に働きかけることの重要性を訴えた。
ゲスト / Guest
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錦田愛子 / Aiko NISHIKIDA
慶応義塾大学教授 / professor, Keio University
研究テーマ:ハマス・イスラエル衝突
研究会回数:11
