2022年11月29日 10:00 〜 11:00 10階ホール
ドキュメンタリー映像作家・久保田徹さん 会見

会見メモ

軍が実権を握るミャンマーで治安当局に拘束されていたドキュメンタリー映像作家の久保田徹さんが会見を行った。

久保田さんは、7月30日にヤンゴンで国軍へのデモを撮影中に拘束され計10年の禁固刑の判決を受けたが、11月17日に解放され翌18日に帰国した。

拘束から解放までの経緯や、ミャンマーの現状に感じること、ミャンマーの人たちへの思いなどを語った。

 

司会 江木慎吾 日本記者クラブ専務理事兼事務局長

 

 


会見リポート

「声を上げる義務がある」

羽太 康裕 (時事通信社外信部)

 「自分の体験を通じミャンマーに目を向けて」「代わりに声を上げる義務がある」―。ドキュメンタリー作家、久保田徹さんは約3カ月半にわたり拘束されながらも、軍が実権を握るミャンマーの現状を伝えるという使命感に満ちていた。

 7月に最大都市ヤンゴンでデモを撮影中に拘束されてからの経緯を、落ち着いた様子で淡々と叙事的に語る言葉には不思議な重みがあった。ミャンマーの窮状を目の当たりにし、自身も当事者としてその苦しみを知ったことから生まれたものなのだろう。拘束直後に撮影機材を押収する際の軍人の態度、収監されていた独房の劣悪な環境、一緒に拘束されていた囚人らとのやりとり。その話しぶりは、久保田さんが何を見て、そのとき何を思ったのかを訴えかける一種のドキュメンタリー作品のようだった。

 久保田さんの紡ぐ言葉に唯一感情の色が見えたところがあるとすれば、同じ刑務所に収監されていた政治犯との関わりを語った時だろう。互いに励まし合い、ミャンマーの現状を日本から訴えてほしいと頼まれたと述べ、手書きのメッセージを報道陣に公開した。

 久保田さんは帰国後、多くの記者会見を行いミャンマーの問題を訴えてきた。昨年2月のクーデター以降、不当に1万6000人が拘束されたと指摘し、自分もそのうちの一人にすぎず、いまだに拘束されている人たち、声を上げられない人たちに代わって声を上げる義務があると語った。

 ただ今後の関わり方については必ずしも答えを見つけられていないようだ。記者から今後について問われると、さまざまな取材方法について言及しつつも、明確な回答はできなかった。ミャンマーで再び取材をすることが難しくなったいま、ドキュメンタリー作家として何ができるのか、模索しているように感じた。


ゲスト / Guest

  • 久保田徹 / KUBOTA, Toru

    日本 / Japan

    ドキュメンタリー映像作家

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