2022年09月26日 16:45 〜 17:45 10階ホール
メヴリュット・チャヴシュオール・トルコ外相 会見

会見メモ

ロシア・ウクライナ戦争における両国の仲介、穀物輸出再開の交渉などで存在感を増すトルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相が、同国の外交などについて会見した。

チャヴシュオール外相は、安部晋三元首相の国葬儀への出席のため25日に来日した。

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳 ボアチ・ウリケル、斉藤いづみ(駐日トルコ大使館)


会見リポート

仲介「対話、国際法を重視」

菅野 麻衣子 (共同通信社外信部)

 ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、トルコは両国首脳と停戦に向けた会談を重ね、国連と共に穀物輸出再開を実現させるなど、仲介外交で存在感を示してきた。侵攻から7カ月、ロシアはウクライナ4州の「住民投票」で編入手続きを進め、情勢は新たな局面に入った。トルコのチャヴシュオール外相は安倍晋三元首相の国葬参列のため来日。ウクライナの状況は「困難を増している」と厳しい見方を示した上で「停戦に向け両首脳とも交渉のテーブルに着席してもらいたい。会談が実現すれば期待したい」と語った。

 戦争をどう止められるのか。停戦交渉の見通しは―。会場からはウクライナ関連の質疑が相次いだ。チャヴシュオール氏は「勝ち側が存在しないと両者とも認めた時点で戦争が終わる可能性が高まる」と指摘した。一方、戦争状態が長引くことでロシアの弱体化を期待している国もあると述べ「その分代償を払うのはウクライナだ」と付け加えた。

 住民投票に関しては、トルコは2014年のクリミア半島併合も認めておらず、今回の住民投票の結果も受け入れられないと言い切った。「トルコはバランスを大事にしている。対話と同時に国際法も重視する」と仲介役としての姿勢を強調した。

 ウクライナ軍が使用するトルコ製ドローンについての質問もあった。チャヴシュオール氏は米国やイスラエルでも発展した産業としつつ「どこかと競争している認識はなく、独自の技術開発を進めている。武装している製品、していない製品いずれもトップレベルだ」と自信を見せた。「日本に関心があれば対応する」とし、提供に前向きな意向を示した。

 日本とはアジアの東西に離れているが、トルコは親日国家としても有名だ。チャヴシュオール氏は、「防衛産業分野、安全保障面での関係促進に向けて協議を重ねたい」と語り、林芳正外相との会談に向かった。


ゲスト / Guest

  • メヴリュット・チャヴシュオール / Mevlüt ÇAVUŞOĞLU

    トルコ / Türkiye

    トルコ外相 / Minister of Foreign Affairs of the Republic of Türkiye

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