会見リポート
2020年05月18日
13:30 〜 14:30
オンライン開催
「新型コロナウイルス」(19) 飯泉嘉門・全国知事会会長
会見メモ
緊急事態宣言の延長を受け、全国知事会は5日、宣言を解除する際の基準の明確化など4つの項目から成る提言をまとめ、国に要望した。提言には、追加経済対策に向け第2次補正予算を早期に編成すること、9月入学制について各界各層を交えた議論を行い、結論を得ることなどが盛り込まれている。全国知事会会長で新型コロナウイルス緊急対策本部本部長を務める飯泉嘉門・徳島県知事が徳島県庁からオンラインで会見し、各都道府県の現状や国への要望について話した。
司会 伊藤雅之 日本記者クラブ企画委員(NHK)
全国知事会「緊急事態宣言の期間延長を受けて(提言)」(5月5日)
資料1:配布用スライド
資料2:「コロナ克服への道」共同声明
会見リポート
政策の具現化が知事会の役割
富田 雄二 (時事通信社内政部)
昨年9月に全国知事会の会長に就任した飯泉嘉門徳島県知事。現在は知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部長も務める。会見では冒頭、今回の感染症拡大について、人口減少と自然災害の多発に続く「第3番目の国難」と表現。その後、知事会として1月30日に対策本部を立ち上げて以降、政府へのタイムリーな提言を打ち出し、緊急対応策や補正予算などに知事会の意向を反映させてきたことを説明した。
例えば休業要請に応じた事業者に対する協力金について、補正予算で創設された「地方創生臨時交付金」を充てられるよう要求。都道府県をまたいだ移動自粛の呼び掛けを求め、いずれも国が実行に移した。今後に向けては、自粛要請に一定の限界があるとして法的に罰則を規定することや、「9月入学」を巡っては骨太の議論を求めた。
今年度は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の第2期の1年目となることを受け、飯泉会長は「地方創生第2幕の幕開けとなったが、東京一極集中どころか、大都市部への人口集中は冷めやらない」と現状を分析。その上で「大都市部を抱えたところばかりが(当初の)緊急事態宣言の対象となった」と指摘し、地方創生に絡めて感染症への対応として、都市から地方に人口を分散させたり、中央省庁や企業を移転させたりする必要があると訴えた。
飯泉会長は質疑応答の中で、会長就任時に「大都市部と地方部が一致結束していく体制にしていこうではないかと掲げた」と振り返り、知事会で活発な議論や意見交換が行われるよう意を用いてきたと明らかにした。緊急対策本部会合には、40人以上の知事が参加するようになり「かつて、これだけの知事が集まってくれたことはない」と手応えを口にする。知事会の役割には「(国に)助けてくれと言うだけではなく、政策・施策に高めてタイムリーに打ち込んでいく。国とともに努力し、政策・施策を具現化することだ」と力を込めた。
ゲスト / Guest
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飯泉嘉門 / Kamon Iizumi
日本 / Japan
全国知事会会長(徳島県知事) / President, National Governors’Association (governor of Tokushima Prefecture)
研究テーマ:新型コロナウイルス
研究会回数:19