2019年10月18日 16:00 〜 17:00 10階ホール
芝野虎丸名人 会見

会見メモ

10月8日に史上最年少の19歳11カ月で囲碁の名人位を獲得した芝野虎丸名人が登壇し、タイトル獲得を振り返るとともに、自らの棋風などについて語った。

プロ入り(2014年9月)から5年1カ月の七大タイトル獲得は史上最短記録。10月25日からは七大棋戦の一つ、王座戦で井山裕太四冠に挑む。

司会 小川記代子 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)

壇上は左から大出公二朝日新聞記者、洪清泉四段、芝野虎丸名人、小川記代子日本記者クラブ企画委員。


会見リポート

「成り行きでやっているだけ」/勝負師らしくない最年少年名人

大出 公二 (朝日新聞社文化くらし報道部)

 一途に勝利を求め、頂点をめざす。そんな従来の勝負師像を打ち砕くスターが囲碁界に誕生した。プロ入りから5年1カ月、19歳11カ月で史上最速、最年少名人になった芝野虎丸名人は、勝負師らしくないことばを淡々と口にした。

 小学3年のとき、先に囲碁にハマった兄に引きずられるようにプロ養成の囲碁道場に入門。俊才だらけの道場生に負け続けた。「いやになりました。ずっとやめたかったんですけど、親に言い出しづらくて」。父は囲碁の良書があると聞いては絶版本まで探し出し、中国や韓国からも取り寄せて息子を応援した。

 姉は東大大学院、プロ二段の兄は東京理科大、妹は高校に通う。本人は高校に進まなかった。「道場より学校のほうが好きでした。高校に行きたい気持ちもあったけど、学校を早退して道場に通ううち、勉強が大変になって」。退路を断ったはずのプロ試験も何度か落ちた。「正直、そこまでプロになりたいという強い気持ちはなくて、そんなに悲しいことはなかったです」

 「じゃあ、なにをモチベーションに棋士の道を歩んできたのですか?」。たまりかねた司会者の問いかけに、「いまのところ何をしたいというのはなくて、成り行きでやってるだけというのはあるんですけど、囲碁が楽しいし、苦しいということもないですし」。そのことばを聞いて、彼は囲碁というゲームを純粋に楽しみ、天賦の才能が名人へ押し上げたのだと思った。

 「虎丸は碁盤だけを見て盤上で全力を尽くす。それが一番の長所」と、同席した師匠の洪清泉四段。10月25日から第一人者の井山裕太四冠に挑む王座戦五番勝負が始まり、開幕戦を制した。「相手が誰かは気にしません」と気負いは感じられない。凡人の想像を超える境地にいることは間違いない。


ゲスト / Guest

  • 芝野虎丸 / Toramaru Shibano

    名人

前へ 2019年11月 次へ
27
28
29
30
31
2
3
4
5
6
9
10
16
17
19
23
24
25
26
29
30
ページのTOPへ