2019年07月11日 14:30 〜 15:30 9階会見場
松中権・プライドハウス東京代表 会見

会見メモ

プライドハウス東京の松中権代表が登壇。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた活動やLGBTをめぐる現状について語った。「プライドハウス」とは、オリンピック・パラリンピックなどの国際スポーツ大会にあわせ、セクシュアリティを問わずあらゆる人が安心して過ごせる場所を提供するプロジェクトで、2010年のバンクーバー冬季五輪から始まっており、今秋日本で開催されるラグビーW杯においても開設することが決まっている。

 

司会 磯崎由美 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

 


会見リポート

プライドハウスを東京五輪・パラのレガシーに

杜 雲翼 (日本テレビ報道局社会部(東京五輪・パラ担当))

 信念の人である―そう感じさせる会見だった。感情を強く表すことなく理知的に話すその姿は、熱い思いで裏打ちされているのだと感じた。

 氏は一橋大学を卒業後、電通に入社。仕事の傍ら、LGBTの人たちへの支援を行うNPOを立ち上げ活動に取り組んだ。自らゲイであるとカミングアウトした。その後、ゲイであることを同級生にアウティング(暴露)された学生が、大学敷地内で転落死した「一橋大学アウティング事件」に衝撃を受け、電通を退職。現在は、LGBTの人たちが自分らしくいきいきと生きられるよう、NPOの活動に専念している。そんな氏が、いま進めているプロジェクトが、「プライドハウス東京」だ。

 「プライドハウス」とは、オリンピック・パラリンピックといった国際的なスポーツ大会などの開催に合わせ、施設「プライドハウス」の運営や情報発信などを行うプロジェクトのこと。開催地のLGBT当事者団体などが組織し、運営している。2010年のバンクーバー冬季五輪から始まった取り組みだ。スポーツ界では、性的マイノリティーへの差別や偏見が強い傾向があり、当事者たちが安心して自分らしく過ごせる場所を、と交流施設を作ったのが始まりだ。しかし、2014年のソチ冬季五輪直前にはロシアで同性愛宣伝禁止法が制定され、「プライドハウス」は設置できなかった。これを契機に、プライドハウスは国際的なネットワークを結成。ホスピタリティー、情報発信、教育、スポーツの4つの機能を備えることを確認した。

 LGBTについては、近年、国内外でさまざまな取り組みが進められている。そしてまた日本では、今年9月にラグビーW杯、来年には東京五輪・パラと、大規模なスポーツイベントが相次いで開かれ、世界中の注目が集まる。こうした機をとらえて、東京に「プライドハウス」を設置して、理解を促す情報発信を行う。プロジェクトロゴのデザインは、東京五輪・パラのエンブレムを手がけた野老朝雄氏が担当した。野老氏は「つながり」や「多様性」をテーマとした作品制作を続けていて、プライドハウスの取り組みに共鳴し、プロジェクトに加わった。プロジェクトのビジョンも具体的だ。①今年9月―東京・原宿に、具体的な“居場所”として初めて設置して認知を高める。②2020年―東京オリンピック・パラリンピックのムーブメントと連携し公認プログラムとする。③2020年以降―レガシーとして常設の「総合LGBTセンター」にする。これに対する支援の輪は、企業や自治体、在日外国大使館などに着実に広がっている。氏のスピーチを聞いて、そう感じた。

 スピーチの最後、氏は「日本では人権意識がなかなか高まらない」と話した。氏にその理由を聞いた。答えは明快だった。「教育の問題だ」。LGBTの問題は、人権の問題であり、そのためには人権教育が重要なのだ。氏は繰り返しそう強く訴えた。


ゲスト / Guest

  • 松中権 / Gon Matsunaka

    日本 / Japan

    「プライドハウス東京」コンソーシアム代表 / President, PRIDE HOUSE TOKYO Consortium

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