2018年11月15日 14:30 〜 16:00 9階会見場
「災害に強い町づくり」福和伸夫・名古屋大学減災連携研究センター長・教授

会見メモ

災害に強い町づくり

耐震工学が専門の福和伸夫氏が「災害に強い町づくり」と題して話した。

福和伸夫Webサイト

 

名古屋大学減災連携研究センター

 

司会 上田俊英 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)

 


会見リポート

「(東京の)みなさんご愁傷様です」

 「今日はなぜ、こんな危険な場所に呼ばれたのだろう」。福和流あいさつで始まった。「日本で最も危険な『日比谷入り江』にプレスセンターなんて。ロッカーは固定されていないし。東京のメディアで安全なのはNHKとTBSだけ。あとは使っちゃいけない場所。みなさんご愁傷さまです」

 東京は、危険な場所に危険な中高層建物がぎっしりだという。「安政江戸地震の死者7千人、百年後の大正関東地震7万人。そして現在、これは見たくない写真です」といまの都心の写真がスライドに。「ここでオリパラを開く。東京の人はお金に目がくらんだように思える。一線を越えている」

 地震保険も無力だという。大阪北部地震では「5万件超の建物損壊が出て、保険金支払い945億円。ぞっとする」。南海トラフ地震では「一部損壊や家財も補償すれば100兆円近くになる。地震保険の積立額が1兆8千億。どだい無理な約束」。つまりは被害を減らす以外にないという。

 南海トラフ地震の怖さはそれだけではない。20年間で1410兆円の損失が出て、日本は最貧国になるとの試算がある。中部地方の被害が大きいからだ。「名古屋がモノを作り、その利益を東京が運用している。豊田市や西三河は自動車輸出の90%、製造品出荷の62%を占める。世界にとって東京はなくても困らないが、豊田や西三河がなければとんでもないことになる」と話に力がこもる。西三河に工業用水を供給する浄水場は一カ所。機能不全がどう広がるか全体が俯瞰できていないという。だから「転ばぬ先の杖」が必要で「備えあれば憂いなし」だという。知りたくなかったことをまた知ってしまった。だが知った以上は考えなくては。


東京新聞科学部部長  永井 理

ゲスト / Guest

  • 福和伸夫 / Nobuo Fukuwa

    日本 / Japan

    名古屋大学減災連携研究センター教授・センター長 / Prof. and Center Director, Disaster Mitigation Research Center, Nagoya University

研究テーマ:災害に強い町づくり

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