2014年08月01日 15:30 〜 17:00 10階ホール
研究会「精神疾患用語改定の背景」 神庭重信・日本精神神経学会副理事長

会見メモ

精神疾患医療の現場で使われる「DSM」分類用語の改定(5/28)について、日本精神神経学会の神庭重信副理事長(九州大学大学院教授)が経緯、背景を説明した。従来の自閉症、アスペルガー障害がまとめられて「自閉スペクトラム症」に、性同一性障害が「性別違和」に、といった変更がある。厚労省の用語はWHO作成の「ICD」分類に基づいているが、この改定が2017年に予定されている。DSMの変更点はICD改定にも影響する、と。

司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

精神疾患 差別を生まない病名に改訂

宮田 一雄 (企画委員 産経新聞特別記者)

米国精神医学会が昨年、DSM-5(精神疾患の診断・統計の手引き第5版)を出し、精神疾患の診断分類を19年ぶりに改訂した。この間の研究の進歩を踏まえ病名もかなり変わっている。


その訳語が研究者間でまちまちでは患者も混乱する。そうならないように国内の精神科関連の学会・委員会が共同でまとめた病名・用語翻訳ガイドラインの作成作業を統括したのが九州大学の神庭教授だ。訳語は、①患者の理解と納得が得られる②差別意識や不快感を生まない③国民の認知度を高める―などに留意して決められたという。


精神疾患の病名は、伝統的病名、WHO(世界保健機関)作成のICD(疾病及び関連保健問題の国際統計)分類、そしてDSM分類の3つの流れがある。日本の厚労省が採用し、診療報酬にも使われているのはICD分類なので、今回の改訂で疾患名が一気に変わるわけではない。だが、臨床研究で先進的に用いられるDSM分類は、2017年に予定されるICD-11(11版)にも大きく影響する。


複雑な専門用語が交錯する分野だが、病に苦しむ人たちが暮らしやすい社会になるよう、マスメディアもまた、その成果を報道に反映させたい。そう感じさせる誠実な会見でもあった。


ゲスト / Guest

  • 神庭重信 / Shigenobu Kanba

    日本 / Japan

    日本精神神経学会副理事長 / vice president, Japanese society of psychiatry and neurology

研究テーマ:精神疾患用語改定の背景

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