2013年12月04日 13:30 〜 15:00 10階ホール
著者と語る『デモクラシーの生と死』 ジョン・キーン・シドニー大学教授

会見メモ

『デモクラシーの生と死』の翻訳出版を機に来日した、著者のジョン・キーン・シドニー大学およびベルリン科学センターの政治学教授が、著書について説明した。民主主義の変遷は、集会制民主主義、代表制民主主義を経て、モニタリング民主主義の時代にあるという。選挙、政党、議会などは引き続き重要だが、機能が弱くなって来ている。そこに過去に存在しなかった、モニタリング機能を持つ、市民の組織やネットワークが、新たなインフラとして登場し、様々な政治課題に厳しい目を向けている、と。

司会 日本記者クラブ企画委員 星浩(朝日新聞)
通訳 大野理恵(サイマルインターナショナル)


会見リポート

モニタリング・デモクラシー 日本では機能するか

2500年の民主主義の歴史を、上下巻で1千ページ近くに及ぶ『デモクラシーの生と死』(みすず書房、森本醇訳)にまとめたのがキーン教授だ。翻訳の刊行を機に来日。この日は約40分に凝縮して語った。

 

『生と死』には、ギリシャ以前に存在したメソポタミアの民主主義など驚くべき話が満載されているが、ほとんどカット。日本で特定秘密保護法案が審議中なのを承知していたのだろう、話を現代の「モニタリング・デモクラシー」に絞った。

 

選挙の時だけでなく、権力が行使される場面を何らかの組織やネットワークが見つめているのがモニタリング・デモクラシー。キーン教授の造語だ。発生は戦後。黒人の公民権や女性の人権、地球温暖化や貧困など戦後の重要問題は、政党や政府ではなく、モニタリングをする市民の組織やネットワークが提起してきたと指摘する。

 

インターネットなどの情報革命で、世界のモニタリング組織はさらに力をつけた。一方で、特定秘密保護法のように、頭を押さえつけようとする動きも広がる。質疑応答では「部外者だが、憲法9条改正につながるのではと不安だ」と語った。


朝日新聞東京本社報道局編集委員(文化くらし報道部) 村山 正司

ゲスト / Guest

  • ジョン・キーン / John Keane

    オーストラリア / Australia

    シドニー大学教授 / Professor of the University of Sydney

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