2013年11月28日 10:45 〜 12:00 宴会場(9階) 
IEA世界エネルギー展望2013年版 会見

会見メモ

IEA世界エネルギー展望2013年版

2035年までのエネルギー情勢を分析した「世界エネルギー展望2013」の要点について、国際エネルギー機関(IEA)のマリア・ファンデルフーフェン事務局長が説明した。昨年の展望では、2020年になる前に、米国がシェールガス・オイルなど非在来型資源革命により、世界最大の石油・ガス生産国になると発表した。今回は、2020年代には、その埋蔵量が頭打ちになる。その後、エネルギー需要増が見込まれるインドや東南アジア諸国へは、中東が供給元になる可能性が高い、とした。

司会 日本記者クラブ企画委員 脇祐三(日本経済新聞社)
通訳 池田薫、長井鞠子(サイマルインターナショナル)


会見リポート

電力価格の差で 勝ち組と負け組に

IEAは毎年秋に長期の世界見通しを発表し、事務局長が当クラブで日本向けに要点を説明する。前任の田中伸男さんと同様、現事務局長も歯切れがいい。


米国が勝ち組、欧州と日本が負け組になる――。シェール革命が産業の国際競争力に及ぼす影響については、電力料金の大きな格差を理由に踏み込んだ説明をした。一方で、資源の量の制約から米国の産油量増加はいずれ頭打ちになると指摘。アジアの石油需要を満たすうえで「中東の重要性は変わらない」と強調したのも印象的だ。


二酸化炭素の排出削減で「2025年までに強力な追加的行動が必要」と訴えた半面、国民の負担増が政治問題になっている欧州を参考に、日本は再生可能エネルギーの買い取り価格を弾力的に見直すべきだとも説いた。環境の視点だけでなく、経済政策の一環としてのエネルギー政策の「持続可能性」もよく考えようというメッセージだ。


イランの核開発問題をめぐる合意の石油市場への影響について、事務局長の答えは「いまコメントするのは賢明ではない」。若干の皮肉も交えて再三にわたる質問をかわしたのは、オランダの閣僚も務めた政治家の老練さだろうか。


企画委員 日本経済新聞コラムニスト 脇 祐三

ゲスト / Guest

  • マリア・ファンデルフーフェン / Maria van der Hoeven

    国際エネルギー機関(IEA)事務局長 / Executive Director, International Energy Agency(IEA)

    研究テーマ:IEA世界エネルギー展望2013年版

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