2013年12月05日 14:00 〜 15:30 10階ホール
成長戦略には何が必要か 現場からの視点 藤本隆宏 東京大学ものづくり経営研究センター長

会見メモ

藤本隆宏・東京大学ものづくり経営研究センター長が、「ものづくり現場発の成長戦略とは」と題して話した。政府の成長戦略に反対ではないが、成長は現場でおこっており、現場の視点が欠けているとした。ものづくりとは、設計者の思いをものに作りこむ思想であり、良い設計で、良いながれを作ることが現場力を生み出すと、とも。

司会 日本記者クラブ企画委員 安井孝之(朝日新聞社)


会見リポート

現場にカンフル剤を注入する成長戦略を

若杉 敏也 (日本経済新聞産業地域研究所)

予定された会見時間の1時間30分をフルに使ってよどみなく熱弁をふるい続け、さらに30分延長して質問にも丁寧に答えた。「成長戦略には何が必要か」研究会の4回目で、内容はさながら藤本教授の〝熱血講義〟。スピーチを通じて発信された強烈なメッセージは、一言でまとめると「ものづくりの現場を見よ」となろうか。豊富な事例を交じえながら「日本の現場は強い」「日本の現場は頑張っている」という事実を掘り下げて論じた。


誰よりも現場に足を運んでいる大学教授、を自負する。それだけに組織を強くするための手法を語る際でも、一つ一つの説明に自分で見て聞いた現場の話が添えられた。


「全産業の空洞化はあり得ない」「日本の製造業はサッカーのなでしこ型、アメリカは野球型」「ものづくりの強みはサービス業や農業にも応用可能」──。こんな具合に魅力的なキャッチフレーズと一緒に、縦横に日本の産業論を展開した。締めの言葉は「日本はいま、夜明け前。地域と産業の現場が諦めずに能力を磨き続ければ、必ず良くなる」というエールだった。自信にあふれた口調で「現場に直接的にカンフル剤を注入する」成長戦略こそが必要だと明快な処方箋を示してくれた。


ゲスト / Guest

  • 藤本隆宏 / Takahiro Fujimoto

    日本 / Japan

    東京大学ものづくり経営研究センター長 / Executive Director of Manufacturing Management Research Center (MMRC)

研究テーマ:成長戦略には何が必要か 現場からの視点

研究会回数:0

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