2013年10月31日 14:00 〜 15:15 10階ホール
OECD「国際成人力調査」担当者 記者会見

会見メモ

PIAAC:Programme for the International Assessment of Adult Competencies

経済協力開発機構(OECD)が加盟国を中心に24ヵ国・地域で行った「国際成人力調査(PIAAC)」の結果について、OECDのアンドレア・シュライヒャー教育局次長(Andreas Schleicher, Education and Skills Directorate)が概要を説明した。

司会 日本記者クラブ企画委員 大信田雅二(テレビ東京)

通訳 西村好美(サイマル・インターナショナル)

OECD東京センター PIAACに関するウェブサイト

http://www.oecdtokyo.org/theme/edu/2013/20131008PIAAC2013.html


会見リポート

技能と活用力 情報化社会で求められる職業人

澤井 仁 (日経BP参与 日本経済新聞社友)

「技能が高くても、それが社会や仕事に効果的に利用されているかが大切だ」というのが会見の結論だった。OECDは2011~12年に先進24カ国で国際成人力調査を実施し、その結果を分析した。


調査は「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」の技能について行われ、日本は「読解力」「数的思考力」の平均値が参加国中1位、IT活用能力は10位だった。それに対し米国はそれぞれ16位、21位、14位と低かった。


ところがこれら技能の仕事への利用について調べると、「日本と米国は対極にある」と言う。両国ともに生産性は高いが、その源泉が違う。


日本人は平均的技能がそもそもずばぬけて高いのに対し、米国人は技能は高くない。しかし仕事への活用では、米国の方がずばぬけて高く、日本は低いという結果だ。特に日本の男女間では、それぞれの技能では差がないのに、技能の利用では大きな差がある。賃金の格差も大きい。


また、日本人は平均的技能は高いが、レベルは中の上位が多く、最上位は少ない。「しかしこれからの情報化社会で求められる職業人は、最上位の技能を持つ層で中間層は減っていく」と警告した。


ゲスト / Guest

  • アンドレア・シュライヒャー / Andreas Schleicher

    経済協力開発機構 / OECD

    教育局次長 / Education and Skills Directorate

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