2013年05月20日 15:00 〜 16:00 10階ホール
第5回アフリカ開発会議(TICAD V)関連 会見 伊藤誠 TICAD V担当大使

会見メモ

6月1日から始まる第5回アフリカ開発会議(TICADV)を前に、外務省の伊藤誠・TICADV担当大使が、会議の特徴や意義について話した。今回も前回(2008年)と同様にアフリカ54カ国のうち、51カ国から41人以上の首脳級要人が参加する予定だとした。

この会議は、日本が主導し、国連、世界銀行、アフリカ連合などと共催している。関心があればどの国も参加でき、国連機関やNGOにも開かれたマルチのフォーラムである。この点が、アフリカと主催国に参加者を限定した中国や韓国などが開催している会議との違いである、と。

司会 日本記者クラブ企画委員 杉尾秀哉(TBSテレビ)

外務省TICAD V関連のウェブサイト

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/tc5/


会見リポート

「人間の安全保障」に基づく支援を

二村 伸 (NHK解説主幹)

今なぜアフリカか? 率直な疑問に伊藤大使は市場としての魅力を挙げた。豊富な資源をもとにアフリカ、とくにサブサハラは10年間で平均5・8%の目覚ましい経済成長を遂げ、日本企業の関心も高まっている。そうした中で5年に1度開催されるアフリカ開発会議(TICAD)は、インフラ整備や人材育成などの官民連携を柱の一つに掲げ、民間企業のアフリカ進出を全面的に後押しする姿勢を鮮明に打ち出している。その背景には影響力を増す中国に比べ日本の出遅れ感がある。

冷戦終結後、世界各国のアフリカへの関心が急速に薄れた中で、日本はアフリカに手を差し伸べ、20年にわたってTICADを開催してきた。中国や韓国、インドなどのような国益重視のバイの会議ではなく、国際機関やNGOにも開かれたマルチの枠組みである。また、日本は中国とは違って国際的なルールを守りながら支援を行ってきた。大使はこうした点を強調し、より質の高い成長を実現するために技術移転や人づくりを優先し、「人間の安全保障」に基づいた日本らしい支援を続けていく立場を示した。

20年におよぶ会議や地道な支援がアフリカの成長に貢献したことは間違いないが、それにもかかわらずアフリカでの日本の存在感が低下し、日本企業の進出も進まなかったのはなぜだろうか。会見では「アフリカ票はどれだけ得られたのか」「アラブの春によりインクルーシブな開発へのアプローチはどう変わったのか」大使が考え込むような質問も相次いだ。アフリカでの外交の難しさはアフリカを経験し、安保理担当も務める大使自身がもっとも理解していることだろう。成長の一方で資源への過度の依存や格差の拡大など課題も少なくない。「アフリカの世紀」が本当に訪れるのか、これからが正念場である。同時に日本にとってもアフリカ外交の転機に差し掛かっていることを会見であらためて感じた。 

ゲスト / Guest

  • 伊藤誠 / Makoto Ito

    日本 / Japan

    外務省TICAD V担当大使 / Ambassador for TICAD V

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