2012年09月27日 15:00 〜 16:30 宴会場(9階)
シリーズ企画「3.11大震災」エネルギー政策 豊田正和・日本エネルギー経済研究所理事長

会見メモ

総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の豊田正和委員(日本エネルギー経済研究所理事長)が、「日本のエネルギー・ミックス見直し 課題と対応」のテーマで話し、記者の質問に答えた。

使用した資料(PDF)

http://www.jnpc.or.jp/files/2012/09/f16641054ff65943fd841ed6c34337d9.pdf

司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)

日本エネルギー経済研究所のホームページ

http://eneken.ieej.or.jp/


会見リポート

原発ゼロ 8つの懸念を列挙

小此木 潔 (企画委員 朝日新聞編集委員)

元経済産業審議官で、原発維持の立場は鮮明。経産相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会を舞台に、活発な発言を続けてきた。

野田政権がエネルギー・環境会議で決めた「革新的エネルギー・環境戦略」についても委員会で懸念を表明したが、会見ではその理由などに重点を置いて1時間あまり、データを駆使して説明した。

政権の「戦略」が「原発に依存しない社会の一日も早い実現」に向けて「2030年代に、原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入」するとしたことについて、豊田氏は「重大かつ深刻な懸念点」として、「日本の経済力の低下、空洞化、国富の流出」「エネルギー安全保障の脆弱化」「地球温暖化対策からの逃避」「再生可能エネルギー拡大に具体的裏付け欠如」など8項目を列挙。

「引き続き検討して、再考してもらいたい」と述べた。

世論調査に示された民意と、経済界の意見が食い違っているとして、「まだ国民的議論が十分でない」と指摘する一方、「原発ゼロ」にすると化石燃料の輸入増加は不可避で、それが経済と財政を弱体化させ雇用も悪化させる、と持論を展開。

アジアでは今後、原発の増加が不可避なのだから、「日米仏で協力して、アジアに安全な原子炉を普及させるべきで、そのためにも日本は原発を維持すべきだ」と説いた。

質疑では、原発推進と監督の仕事が同じ経産省の中にあったことは批判を受けてもやむをえないとし、独立した規制機関をつくってこなかった責任については、「経産省に長い間いた人間として、深く反省している」と率直だった。

また、再生可能エネルギーにも期待を寄せていると語るなど、柔軟さもうかがわせた。

ゲスト / Guest

  • 豊田正和 / Masakazu Toyoda

    日本 / Japan

    日本エネルギー経済研究所理事長 / Chairman & CEO, The Institute of Energy Economics, Japan

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」

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