会見リポート
2011年11月14日
12:00 〜 14:00
10階ホール
バートン・フィールド 在日米軍司令官 昼食会
会見メモ
フィールド在日米軍司令官・第五空軍司令官が昼食会で、東日本大震災支援のトモダチ作戦や普天間問題などについて語った。
フィールド司令官は、トモダチ作戦について、全体がひとつの目的に向かい規律のとれた一体的な作戦だった、と評価した。地域に対し、日本が米国にとっていかに大事であるか、また在日米軍がいかに迅速に救援できたか、について明確なメッセージを示した、とも述べた。海兵隊が沖縄に駐留する理由を聞かれ、米軍の軍事力と抑止力は4軍すべての統合に依存しており、海兵隊は戦闘だけでなく指揮・統制、人道支援に高い能力を持っていると説明した。中国の軍事力、日本の防衛大綱、サイバー攻撃への防御などの質問にも答えた。
司会 日本記者クラブ理事 河野俊史(毎日新聞)
代表質問 日本記者クラブ企画委員 高畑昭男(産経新聞)
通訳 西村好美(サイマルインターナショナル)
在日米軍のホームページ
会見リポート
対中国、軍事力より他方策の模索を
杉田 弘毅 (共同通信編集委員兼論説委員)
中国の進出に米国はどう対応するのか。世界の注目を集めるこの地域をにらむ在日米軍司令官に昨年10月に着任し、日本記者クラブでの初の記者会見に臨んだ。
景気低迷で内向きの米国は、影響力を失っているとの懸念が日本にはある。こうした見方に「米国は財政難だが、アジア太平洋地域に留まる。米軍のコミットメントは変わらず、将来も確固としている」と語った。
中国が活動を活発化しているのは確かだが、海兵隊がオーストラリアで駐留基地を確保したほか、米国もベトナム、インドネシア、インド、フィリピンなどとの安全保障関係を育てている。米中は濃密なせめぎ合いの最中というのが実態だろう。
最前線にいる司令官の対中観は、中国の行方は警戒しているが、「中国の脅威について話すよりも、この地域の当事国が意見をすり寄せ、軍事力より他の方策を模索すべきだ」と冷静だ。
指揮をとった最大の有事は東日本大震災のトモダチ作戦。在日米軍の価値を高めた。一番心を砕いたことは、との質問に、「米軍と自衛隊とのあらゆるレベルでのコミュニケーションの徹底」と答えた。「皆が一つの目標に向かって一体になれば、成功するものです」と振り返った。
懸案である普天間移設問題では、「全員が満足できる答えを見つけるのは難しい」と述べる一方で、海兵隊は米4軍と統合して抑止力を維持しており、「不可欠」と強調した。
空軍パイロット出身。航空自衛隊の次期主力戦闘機選定問題の所感を問われ、「バイ・アメリカン」と言って笑わせた。
ゲスト / Guest
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バートン・フィールド / Burton M. Field
アメリカ / USA
在日米軍司令官 / Commander of United States Forces, Japan and Fifth Air Force