2011年06月28日 14:15 〜 15:45 10階ホール
シリーズ企画「3.11大震災」 経済復興 藻谷浩介・復興構想会議検討部会専門委員

会見メモ

ベストセラーとなった「デフレの正体」の著者で復興構想会議検討部会専門委員として復興方針の策定に参加した藻谷浩介氏(日本政策投資銀行地域振興グループ参事役)がシリーズ企画「3.11大震災」で被災地の復興について話した。


大震災後の日本がめざすビジョンとして《「カラミティ・プルーフ」》を提案した。どんな天災にあっても被害僅少で快復する「免災」構造の国を意味し、国際的ブランドを確立すべし、という。仙台では地震で壊れた建物はなかった。津波の死者・行方不明は2万3000人だが、津波以外で亡くなった人は96人にとどまった、と指摘。東北地方は地震に対してはカラミティ・プルーフであり、直下型地震に備えて首都圏機能をほかの大都市に分散するとすれば仙台こそ有力な候補地だ、と述べた。


司会 日本記者クラブ企画委員 小此木 潔(朝日新聞)


配付資料


① http://www.jnpc.or.jp/files/2011/06/694d49dc50e3c5f77a624a24e1cb13fc.pdf


② http://www.jnpc.or.jp/files/2011/06/47d56c65baf67bd5d2af40eead723fc5.pdf


③ http://www.jnpc.or.jp/files/2011/06/1625c5cb01b15a679c3b7b226ba2a70d.pdf


④ http://www.jnpc.or.jp/files/2011/06/4ec576e400ab5bfde53e57e2e4ff9a6a.pdf


⑤ http://www.jnpc.or.jp/files/2011/06/5c4cf805e8f08cf57df93faf7dd2f3be.pdf


会見リポート

カラミティプルーフのモデルに

小此木 潔 (朝日新聞編集委員)

ベストセラーとなった『デフレの正体』の著者としてなら、自在に語ったことだろう。政府の復興構想会議の専門委員として話すとなると、いろんなことに気を遣わざるをえないという様子が、早口の説明のうちにもうかがえた。


全国の市町村を歩いて磨いた現場感覚と、統計に裏打ちされた分析・主張が持ち味。この日の会見でも、みずから撮った被災前の三陸海岸の美しい町並みや福島・浜通りの写真をパワーポイントで紹介しながら、「高台への移転」といっても各地の実情や民意に添った解決が問われている、と力説した。


復興構想会議の検討部会で「日本が目指すべきはカラミティプルーフの国=免災構造の国」「東北はカラミティプルーフの国に向けた最先進地域として、全国と世界のモデルに」とプレゼンしたが、その時の「持ち時間は10分ずつだった」というから、驚いた。


復興構想会議の提案を説明したり批判したりする立場ではないと考えているためか、提案の中身についてはご本人は抑制的な口調を貫いた。その一方でポンポン出たのが、メディア批判だった。


とりわけ厳しかったのは、津波が来ない所への町並み移転問題をめぐる報道について。「地図を見ずに記事を書いているひとがいるのではないか」「たんに対立していると書くだけでなく、落としどころを考えながら記事が書けるはず」


現場の状況をもっと知り、解決に役立つ記事を書くべきだ、という趣旨の指摘だったが、横で聞いていた私は、よけいに耳が痛かった。


いささか残念だったのは、カラミティプルーフを原発・エネルギー問題に適用するとどうなるのか、という会場からの質問に歯切れが悪かったこと。「原発の前に省エネが大事」などと説明したが、論点がかみ合っていなかった。


ゲスト / Guest

  • 藻谷浩介 / Kosuke MOTANI

    日本 / Japan

    復興構想会議検討部会専門委員

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」 経済復興

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