2010年10月21日 00:00 〜 00:00
スリン・ピッスワン ASEAN事務総長

会見メモ

ASEANのスリン事務総長が記者会見し、ASEANと日本の関係について語った。

スリン事務総長は、リーマンショック後の世界経済危機の中で、ASEANが経済成長のエンジンとしてより重要な役割を果たし、バ­ランスと調整の役割をになうようになったと述べ、自信を示した。日本の貿易相手として米国を上回り、日本がASEANとともに成­長しているとの認識を示し、ASEANが日本に協力したいとの考えを明らかにした。ASEANが進めるインフラストラクチャーの­国境を超えたリンクによる単一市場の育成に日本も参加してほしいとよびかけた。
質疑応答では、ASEANと中国との関係、ASEANサミットと通貨問題、地域安全保障と米国、環太平洋戦略的経済パートナーシ­ップ協定(TPP)などの質問に答えた。
司会 日本記者クラブ企画委員 浜本良一(読売新聞)
通訳 大野理恵(サイマル・インターナショナル)


ASEAN事務局(ジャカルタ)のホームページ
http://www.aseansec.org/
日本外務省ホームページのASEAN情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asean/index.html
日本アセアンセンターのホームページ
http://www.asean.or.jp/ja/

会見リポート

ASEAN 責任ある“主体”に意欲
東南アジア諸国連合(ASEAN)と言うと、日本人には、日中韓が加わる「ASEANプラス3」や、北朝鮮も出席するASEAN地域フォーラム(ARF)といった、域外国を含めた枠組みの方が、本体よりもなじみ深いかもしれない。米露の参加が決まった東アジアサミットも、大きな話題となった。

別の面から見れば、ASEANがそれだけ外交舞台で存在感を発揮しており、多様な主体を巻き込む核となる潜在力がある、ということだ。さらに、域内に約6億人の人口を抱え、金融危機の影響は受けたものの、めざましい成長を続け、経済的にも影響力を強めている。

スリン事務総長は会見中何度も「世界の新たな成長センターとして」国際社会において一層存在感を高め、責任ある主体となる意欲がASEANにはあることを強調した。

そのための方策として念頭に置いているのは、安全保障でも経済でも、「東アジアの新たなメカニズムを構築すること」。具体的な言及は乏しかったものの、域内の問題を加盟国で解決する能力を向上させ、国際的な信用を勝ち得たいという狙いが伝わってきた。

背景には、ASEANと同様著しい成長を遂げ、領土や海洋権益で主権の主張を強めている中国に対抗しなくてはならないとの事情があるのは、間違いない。この大国と自律的に接するためには、外交的な発言力と、自らの立ち位置の冷静な分析が不可欠だからだ。

だが、スリン事務総長は「必ず結果につなげられる」という自信をにじませた。経済統合を進め、2015年までにASEAN共同体を構築する道のりは前途多難。だが、今後ASEANがどのように成熟していくのか、よく注目しなくてはいけないと思わされた。


読売新聞国際部 梁田 真樹子

ゲスト / Guest

  • スリン・ピッスワン / Surin Pitsuwan

    ASEAN事務総長 / Secretary-General, ASEAN

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