会見リポート
2012年12月04日
15:30 〜 17:00
宴会場(9階)
研究会「世界の新聞・メディア」17 石川幸憲・在米ジャーナリスト
会見メモ
「『フェイスブック革命』の真実」(アスキー新書)の著者の石川幸憲・在米ジャーナリストが、「21世紀のメディアとしてのソーシャルメディア」のテーマで話し、記者の質問に答えた。
質問 日本記者クラブ企画委員 瀬口晴義(東京新聞)
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/12/r00025106/
石川氏はこれまで2回、下記の研究会で話しています。
2011.12.1 研究会「世界の新聞・メディア」⑯
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023554/
2010.3.15研究会「世界の新聞・メディア」⑤
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2010/03/r00015054/
会見リポート
米国フェイスブック利用65歳以上が最多
瀬口 晴義 (企画委員 東京新聞論説委員)
研究会「世界の新聞・メディア」に3度目の登壇である。昨年8月に『フェイスブック革命の真実 ソーシャルネットワークは世界をいかに変えたか?』(アスキー新書)を出版した。会員数が世界で10億人を突破したフェイスブックを中心に、ソーシャルメディアの現状と将来を幅広く語っていただいた。
意外だったのは、国民の55%が登録しているフェイスブック大国の米国では、65歳以上が最も多い(24・3%)という事実だ。中学や高校時代の同級生など旧友との出会いを求めて、フェイスブックに入る人が多いそうだ。電話帳の感覚で使われているという。ちなみに日本では25歳から44歳が87%を占めている。フェイスブックのコンピューターに収められた個人情報は膨大だ。石川さんがマーク・ザッカーバーグを、「ジョージ・オーウェルの『1984年』になぞらえ、『現代のビッグ・ブラザー』と呼ばざるを得ない」と位置付けているのは興味深かった。
新聞の未来を象徴するようなエピソードも語っていただいた。ハリケーンで停電が続いた時、情報を得るために石川さんは図書館に向かった。電源を借りてWI─FIで通信を確保するためだ。すでに50人ぐらい行列ができていたが、図書館に置いてある新聞を読んでいる人はほとんどいなかったという。
もう一つは米大統領選。これまでなら、テレビ討論はテレビの解説者が分析して、翌日の新聞がさらに踏み込んだ分析をして読者を納得させた。しかし、今回は約6700万人の視聴者から、1000万件を超える反応がリアルタイムでツイッターなどにあった。勝ち負けの判断は討論が終わった段階でなされ、解説者の出番はなくなった。日本でも数年後に見られる情景かもしれない。
ゲスト / Guest
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石川幸憲 / Yukinori ISHIKAWA
在米ジャーナリスト / Journalist in the U.S.
研究テーマ:世界の新聞・メディア
研究会回数:0