内部被曝研(ACSIR) 2012.1.27
ACSIR Association for Citizens and Scientists Concerned about Internal Radiation Exposure
福島第一原発事故による放射線内部被曝の問題に取り組む「市民と科学者の内部被曝問題研究会」(内部被曝研)が記者会見し、内部被曝からいのちを守る研究と情報提供をよびかけた。
内部被曝研のホームページ
http://www.acsir.org/
記者会見に出席したのは、(向かって左から)岩田渉(市民放射能測定所)▽肥田舜太郎(被爆医師)▽沢田昭二(素粒子物理学)▽松井英介(放射線医学)▽矢ケ崎克馬(物性物理学)▽大石又七(元第五福竜丸乗組員)=いずれも結成のよびかけ人=の各氏。
松井さんと澤田さんが放射線の内部被曝の仕組みや科学的な知見を説明し、矢ケ崎さんが「政府がとるべき安全対策」として5項目の提言を発表した。肥田さんはヒロシマで被爆し、医師として治療にあたった経験を話した。
原発事故による放射線被曝は呼吸や飲食を通した内部被曝が中心となるが、政府と東電は内部被曝の特性や健康への影響を意図的に無視している、と批判。広島・長崎原爆でも放射性降下物の影響を無視してきた延長線上にあると指摘した。放射能汚染が高い地域から子どもを集団疎開させ、妊産婦、病人など被曝弱者の移住などの政策をとるよう政府に求めた。
司会 瀬口晴義(日本記者クラブ企画委員 東京新聞)
使用した資料:
松井英介氏
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/9171730f8056aab9a5562dfd9aa6abd9.pdf
沢田昭二氏
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/1cdb72375b37cd1e83fbb44a0fd2d363.pdf
内部被曝研の提言書
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/afe7f753fcfb6240a2d0e4f98a4dcf63.pdf
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023779/
新浪 剛史 ローソン社長 2012.1.24
Takeshi NIINAMI、President and CEO, Lawson,Inc.
シリーズ研究会「TPP」で新浪剛史・ローソン社長が賛成の立場から話し、質問に答えた。
新浪さんは、日本がTPPに参加すべき理由について、雇用をつくりだすことを第一にあげた。さらに、日本が自由貿易のルール作りに加わり、付加価値の高い製品を作ってアジアに輸出する重要性をあげた。ローソンでおにぎりを販売する経験から、「日本米の水分値が25%あるのに対し米国産米は15%しかなく、さめても食べられるおにぎりに使うのは無理だ」と具体例をあげ、TPPに参加しても米国産米がただちに日本の脅威にはならないと説明した。
また「日本人の国民感情が中国寄りになるのは好ましくないと米国は考えており、国民感情を無視した高圧的なTPP交渉を米国がやるとは思わない」「米国もルールを作った上で最終目標は中国だと考えている」「知的所有権問題では日米でタッグを組める」「遺伝子組み換え(GMO)の表示はしないと米国はいっているが、日本は豪州やニュージーランドと一緒に、表示するようにすべきだ」「TPPをきっかけに差別化し、強い分野で戦っていく」などと述べた。
TPPは国民が広く知るテーマであり、「貿易問題で初めて大きなイシューとなった。これからの交渉でも政府は情報を開示し、国民が議論していくべきだ」と訴えた。
ローソンの会社情報のホームページ
http://www.lawson.co.jp/company/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023763/
河合正弘 アジア開発銀行研究所長 2012.1.23
Masahiro KAWAI, Dean and Chief Executive Officer, Asian Development Bank Institute
河合氏の使用した資料
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/de3b2c782bd0ffe5a163d31c111ae0ec.pdf
研究会「2012年経済見通し」でアジア開発銀行研究所の河合正弘所長が①欧米経済の混迷②新興アジア経済のダイナミズムと課題③日本は何ができるか――について話し、質問に答えた。
河合さんはアジア経済の当面のリスク要因として、①欧米経済が大幅に落ち込みアジアの輸出減やアジア向け投資資金の流出につながる恐れ②新興アジア経済の減速、インフレと成長のバランスの失敗、中国経済の減速・ハードランディングの可能性――を指摘した。ユーロ危機に対処するためアジアがIMFを通して資金供給し、ヨーロッパの債権者となって危機管理にかかわる方向を示した。
日本の課題として、対アジア広域経済連携協定をめざす必要を強調した。TPPについて、アジア太平洋自由貿易圏構築のルール作りに参加できるなどのメリットを列挙し「TPPに入らないデメリットは大きい。参加国は競争力がつくのに、入らない日本は落ちていく」とTPP参加を促した。その上で、経済統合の二つの流れとして①米国が入らない東アジア主導のASEAN+3/+6②中国が入らない米国主導のTPP――をあげた。日本には双方が重要であり、双方に入れる大国は日本だけであるため、日本がブリッジとしてASEAN+6とTPPをつなぐ広域経済圏を作り出せると説明した。
司会 村田泰夫 (日本記者クラブ企画委員)
アジア開発銀行研究所のホームページ
http://www.adbi.org/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023660/
岩田一政 日本経済研究センター理事長 2012.1.20
Kazumasa IWATA, President, Japan Center for Economic Research
岩田氏が講演で使用した資料
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/b52ad9acaf80eb89b014264657f0094c.pdf
2012年経済見通し
岩田一政・日本経済研究センター理事長が研究会「2012年経済見通し」で、ユーロ危機と原発事故にともなう日本のエネルギー・パスを中心に話し、質問に答えた。
2012年度の日本の実質経済成長率を2%程度と見込んだ上で、ユーロ危機による下ぶれリスク(1%)への警戒を示した。ユーロについて「生存をかけた危機」と表現し、ギリシャが3月末にデフォルトと認定される恐れやフランスの4月大統領選挙などから、4月がユーロにとって「最も悲惨な月」になる懸念を表明した。
日本の円高について、2007年第二四半期から2011年第三四半期にかけて円の実効為替レートが名目34%増価したと分析し、円高対策と主要通貨のクラッシュ回避を兼ねて「円で外貨建て資産購入を可能とする金融危機予防基金(50兆円)」の創設を提唱した。
原発事故の発生確率について、CDS市場の価格情報を見ると、1基当たり4~5%で、20年~25年に一回事故が起こる確率と指摘した。過去の事故実績から計算すると、日本では10年に1回事故が起こるという。さらに、除染費用、損害賠償、保険料、電源立地対策費などを含めると、原発の発電コストが20円/kWhを超えるとの試算を示した。今後の原発のシナリオとして①再稼働せず2012年初めにすべて停止②耐用年数40年と新規建設ゼロで2050年に脱原発③ドイツ型対応で①と②の中間④アメリカ型対応で新規建設の一時停止⑤原発を現状で継続—の5種類をあげて説明した。
司会 小此木 潔(日本記者クラブ企画委員・朝日新聞)
日本経済研究センターのホームページ(岩田氏がブログを掲載している)
http://www.jcer.or.jp/index.html
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023659/
2011年1月28日経済見通し 岩田一政氏 日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/01/r00015849/
マルズキ・ダルスマン 国連北朝鮮人権問題特別報告者 2012.1.20
Marzuki Darusman, the United Nations Special Rapporteur on the situation of human rights in the Democratic People's Republic of Korea (DPRK),
来日した北朝鮮の人権状況に関するダルズマン国連特別報告者が記者会見し、訪日調査を終えた声明を発表し、北朝鮮の指導者交代や今後の展開などの質問に答えた。
声明のテキスト(国連広報センターのサイト)
http://unic.or.jp/unic/press_release/2547/
ダルズマン氏は、北朝鮮の指導者交代について「新しい指導層に対し、人権に関するすべての疑問と懸念に応え、外国人の拉致問題をただちに解決するよう呼びかける」と述べ、北朝鮮がダルズマン氏の訪問を受け入れ、接触を始めるよう求めた。
最近、中朝国境の警備が強化され、食糧不足が深刻化していることをあげ、新指導部が政策を変えるよう国際社会が圧力をかける重要性を指摘した。国境管理の強化は北朝鮮だけの一方的な決定ではなく、中国との二国間協議の結果だと述べた。中国が北朝鮮への影響力を活用するよううながし、北朝鮮の人権状況の改善を図るために中国の役割が大きいことを強調した。
また、北朝鮮の急速な崩壊シナリオは現実的ではなく、中長期的な観点から取り組むべきであり、レジーム・チェンジがなくても政策変更はありうる、との期待を示した。
司会 山岡邦彦(日本記者クラブ企画委員・読売新聞)
通訳 池田 薫(サイマル・インターナショナル)
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023706/
ロバート・フェルドマン 2012.1.19
ロバート・フェルドマン モルガンスタンレーMUFG証券 マネジング・ディレクター経済調査部長
Robert Feldman, Managing Director, Head of Economic Research, Morgan Stanley MUFG Securities
2012年経済見通し 世界経済
司会 日本記者クラブ企画委員 萬 直樹(テレビ東京)
フェルドマン氏の講演資料
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/Feldman_16January_2012J.pdf
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023657/
山田正彦 元農水相 2012.1.18
Masahiko Yamada, Former Minister of Agriculture
研究会「TPP」⑤
司会 日本記者クラブ企画委員 村田泰夫
山田正彦氏のページ
http://www.yamabiko2000.com/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023761/
アハメド・ナジーム モルディブ外相 2012.1.18
Ahmed Naseem, Minister of Foreign Affairs, Maldives
司会 日本記者クラブ企画委員 会田弘継(共同通信)
外務省:モルディブ共和国
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/maldives/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023777/
バズカウスキー米太平洋海兵隊副司令官 2012.1.13(ハワイ時間)
Ronald F. Baczkowski, Deputy Commander, U. S. Marine Corps Forces Pacific
日本記者クラブ ハワイ取材団
ロナルド・バズカウスキー太平洋海兵隊副司令官の略歴ページ
http://www.marines.mil/unit/marforpac/Pages/deputy.aspx
米太平洋海兵隊
http://www.marines.mil/unit/marforpac/Pages/welcome.aspx
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023801/
ウィラード米太平洋軍司令官 2012.1.12(ハワイ時間)
Robert F. Willard, USN Commander, U.S. Pacific Command
日本記者クラブ ハワイ取材団
ウィラード米太平洋軍司令官の略歴ページ
http://www.pacom.mil/web/Site_Pages/Staff%20Directory/J0/J00%20Biography.shtml
米太平洋軍司令部
http://www.pacom.mil/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/11/r00023489/
柯隆 富士通総研経済研究所主席研究員 2012.1.16
Long Ke, Senior Fellow, FUJITSU RESEARCH INSTITUTE Economic Research
2012年経済見通し 中国経済
司会 日本記者クラブ企画委員 長谷川幸洋(東京新聞)
富士通総研 柯隆氏のページ
http://jp.fujitsu.com/group/fri/economic/people/ke.html
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023655/
小川英治・一橋大学大学院教授
シリーズ「2012年経済見通し」 ユーロ危機と欧州経済の展望
Eiji OGAWA, Professor , Hitotsubashi university
司会 日本記者クラブ企画委員 原田亮介(日本経済新聞)
使用パワーポイントpdf http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/b6d06307af8a56932597d18a3f1a33b6.pdf
安住淳 財務相 2012.1.12
Jun Azumi, Minister of Finance, Japan
会見詳録
http://www.jnpc.or.jp/files/2012/01/6479b2f97217424f48a0e128a01c79a5.pdf
司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔 (朝日新聞社)
財務省のホームページ http://www.mof.go.jp/
安住大臣のホームページ http://azumi-jun.jp/index.html
マイケル・ウッドフォード オリンパス元社長 2012.1.6
Michael Woodford, Former President and CEO of Olympus
司会 日本記者クラブ企画委員 川村晃司(テレビ朝日)
通訳 ミラー和空
Olympus Grassroots.com
http://www.olympusgrassroots.com/
オリンパスのホームページ
http://www.olympus.co.jp/jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/01/r00023765/
戸島国雄 元警視庁鑑識官 2011.12.13
Kunio TOJIMA
※紹介された写真の一部をモザイク処理しています。
著者と語る『タイに渡った鑑識捜査官』(並木書房、2011.9.20)
司会 日本記者クラブ企画委員 露木茂
並木書房の『タイに渡った鑑識捜査官』のページ
http://www.namiki-shobo.co.jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023630/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
鑑識プロ タイで4千の遺体と奮闘
タイ警察の事件現場で、通算13年、鑑識技術を指導した体験を『タイに渡った鑑識捜査官』(並木書房)にまとめた。
ドラマで鑑識や科学捜査といえば、俳優の沢口靖子や西村和彦が浮かぶが、本物はちょっと違った。
太い腕、厚い胸板。柔道で鍛えた講道館6段の姿は、とても70のお年には見えない。警視庁では、三菱重工爆破事件からオウム真理教事件まで36年、鑑識一筋を貫いたという。
無残な遺体と向き合い、犯行現場をはいずる日々。「舞台の幕裏の仕事」と控えめだが、犯罪捜査の成否を決定づける重要な役回りである。
その経験を買われ、1995年に国際協力機構(JICA)から派遣されたのがタイとの出会いだった。退官後もタイ側から強く請われ、シニアボランティアとして再派遣、ようやく昨年7月に帰国した。
「心を開き、現場で一緒にやって体で覚えさせたかった」
若手の警察官たちと寝食をともにし、冠婚葬祭にも頻繁に顔を出す型破りな教官だったそうだ。残忍な殺人事件、スラム街の火事、日本人暴力団との渡り合いなど、著書はタイの路地裏ガイドとしても楽しめる。
2004年のインドネシア・スマトラ沖の大津波は、タイ南部も襲い、その被災現場に遭遇した。
断片情報だけで徹夜で駆けつけたら、漁村が壊滅し、寺院には大量の棺が運び込まれていた。
それから3カ月、猛暑と異臭のなか、身元確認の責任者として同僚らと約4千体の遺体の指紋採取や歯型照合に奮闘した。支えたのは「一日も早く肉親のもとに返したい」という気持ちだったという。
タイでは15歳以上の国民の指紋登録が制度化されている。日本では賛否が割れるが、東日本大震災での身元確認の難しさを知るにつけ「希望者だけでも指紋の登録ができるようにしてはどうか」と提言する。
朝日新聞編集委員 谷田 邦一
前原誠司 民主党政策調査会長 2011.12.22
Seizi MAEHARA, The Democratic Party of Japan
司会 日本記者クラブ企画委員 田﨑史郎(時事通信)
前原誠司氏のホームページ
http://www.maehara21.com/index.php
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023700/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
厳しい環境、問われる実績
野田政権で政策決定の「事前承認」という大きな権限を持った政調会長。「ポスト野田」の有力候補である前原氏は民主党内の調整、野党との協議の最前線に立ち、真価が問われる局面が続く。この日の記者会見でも、理路整然とした政策発言の一方、その「実現度」が問われる現状を自覚する言葉が印象に残った。
「自分自身が言葉に出して、自分を追い込むことがある」「発言することで環境的変化が起こることもある」。前のめりの発言が目立つ自らの手法をこう説明。「私が言ったことで、やれていないことは何があるのか。八ツ場ダムだけだ」と強調した。
だが民主党のマニフェスト(政権公約)は総崩れの状態だ。この日、前田国土交通相が八ツ場ダムの建設再開を表明、「コンクリートから人へ」の公約を覆した。「せっかく政権交代したのに哲学を変えきれていない」と前原氏は指摘した。ただ前原氏自身も高速道路無料化やガソリン暫定税率廃止について「そもそもマニフェストとしていかがなものだったのか」と疑問を呈し、公約にない消費税増税や武器輸出三原則見直しの必要性に言及した。民主党は政策の総点検が必要だ。
前原氏を「ポスト野田」候補と認めるからこそ、自民党も標的にするのだろう。政調会長レベルでの与野党協議は前進しない。公務員給与の引き下げや郵政改革の取り扱いなどを通常国会前に野党と話し合う考えを示したが、展望は開けていない。前原氏を取り巻く環境、視線は厳しい。
「政権与党は打ち上げるだけでなく、しっかりとフォローアップしていくことが大事だ」と前原氏は強調した。その通りだろう。政権与党の責務を果たす実行力と周囲を納得させる実績が、首相を目指す前原氏には求められている。
共同通信論説委員 川上 高志
ヒシャム・エルゼメティー 駐日エジプト大使 2011.12.21
Hisham EL-ZIMAITY, Ambassador of Egypt to Japan
司会 日本記者クラブ企画委員 脇祐三(日本経済新聞)
通訳 西村好美(サイマル・インターナショナル)
エジプトの政党勢力図PDF(英語版)
http://www.jnpc.or.jp/files/2011/12/Map-of-EG-Political-Parties-12-11-2011.pdf
エジプト大使館のホームページ
http://www.egypt.or.jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023675/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
「イスラム国家化」の恐れを一蹴
ムバラク政権を打倒したエジプトは今、国家再生という難題に立ち向かっている。30年に及んだ独裁からの脱却だから、むしろ、新たな国家の「産みの苦しみ」と言った方が適当かもしれない。
昨年9月に着任したエルゼメティー駐日エジプト大使が新任会見を開き、政変の背景などを解説した。大使によれば、国内メディアでは既に05年ごろから兆候が現れていた。エジプトには政府系、独立系で計約50のテレビ局があり、日刊紙や週刊誌は100以上。毎晩のようにトークショーで「変化」の必要性が議論されていた。総人口8000万人のうち、インターネット加入者数は2000万人、携帯電話の保有数は7000万台に上る。若者たちがコミュニケーションを図る下地は十分あった。
大使は「(暫定統治を続ける)軍最高評議会への権限移譲は合法的だ」と強調した。早期の民政移管を求めるデモは依然続いているが、その第一歩となる人民議会選は順調に滑り出した。選挙に参加した42政党のうち31党はムバラク政権崩壊後にできた新党だ。「よりよい政治体制への移行は一日では実現しない。民主主義のプロセスを徐々に経験していく中で行き着くことができる」
その人民議会選ではイスラム原理主義組織ムスリム同胞団の政党が台頭したが、「思想的には穏健派。テロリストの分派が政治組織化したわけではない」と説明し、欧米などが懸念する「イスラム国家化」の恐れを一蹴した。
大使は今回の政変を「革命」と呼んだ。しかし、デモの聖地カイロ・タハリール広場にも駆けつけた中東通信のベテラン記者は「軍が途中介入したから『革命』でなく『蜂起』に過ぎない」と厳しく評価する。諮問評議会選、新憲法起草、大統領選と「革命」の道はまだ続く。
毎日新聞外信部 前田 英司
細野豪志 環境、原発事故担当相 2011.12.19
Goshi HOSONO, Minister of Environment and Minister for the Restoration from and Prevention of Nuclear Accident
司会 日本記者クラブ企画委員 田﨑史郎(時事通信社)
環境省のホームページ
http://www.env.go.jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023705/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
"収束の判断は撤回しない"
会見3日前の12月16日、野田首相が、東京電力福島第一原子力発電所事故の「収束」を宣言した。「実態を知ったうえでの発言なのか」と不快感をあらわにした佐藤雄平福島県知事をはじめ、報道も「収束にはほど遠い」と批判的なものが圧倒的に多かった。しかし、担当相として、「収束の判断を撤回するつもりはない」と強調。たとえ津波が再来しても、原子炉の低温状態を維持し、放射性物質の放出を抑えられる態勢を整備できたとの自信を示した。
原発事故と放射線のリスクをめぐっては、過剰な恐怖感が、瓦れきの処理と復興を妨げているとみる。「恐れるべきでないものまで恐れる必要はない。リスクを客観的にとらえてほしい」。100ミリ・シーベルト以下の低線量被ばくによる健康影響は「わからない」とされることが多いが、「わからないのでなく、ほかのリスクに隠れてしまう(ほど小さい)から、証明できないと表現すべきだ」と主張した。市民の反発を恐れ、科学者でも公式の場でここまで発言する人は少ない。
震災後3度目となった日本記者クラブでの会見目的の一つは、未来志向のメッセージを発信することだった。福島に原子力安全の国際研修所を設置し、世界中の安全規制担当者を呼んで事故の教訓をくみ取ってもらうこと、原発の除染・解体を行う無人化技術の開発を通じ、福島を先進ロボットの開発拠点にすることが将来の目標という。
しかし課題は山積している。汚染廃棄物の中間貯蔵施設をいつ、どこに設置するのか。経験も人員も不足している環境省が主体となって課題を解決できるのか。何事にも前向きな大臣の言葉を聞いていると、期待したい気にはなるのだが。
読売新聞調査研究本部研究員
芝田 裕一
中川俊男 日本医師会副会長 2011.12.16
Toshio NAKAGAWA, Vice-Chairman, Japan Medical Association
研究会「TPP」④
司会 日本記者クラブ企画委員 原田亮介(日本経済新聞)
日本医師会のTPPに関する声明等のページ
http://www.med.or.jp/jma/nichii/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023636/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
「TPP否定せず」と言うなら...
常々感じているのだが、日本医師会がみずからの立場を世に訴えかける力は、並大抵ではない。
情報収集のために張り巡らせた網は、じつに幅広い。健康情報から生命倫理の問題、さらには政治や政策の動きをウオッチし続けることにも力を注いでいる。シンクタンクの日医総研を擁し、医療界に影響をおよぼしうる制度改革にどう対処するか、警戒は怠りない。
TPP研究会は、その成果を披露する場になった。中川氏の主張は、TPPは半世紀にわたる国民皆保険制をおびやかす、という一点に尽きる。「皆保険崩壊」にいたる過程を、ある意味で説得力をもたせるように整えた資料を携えて「TPPは究極の規制緩和だ」「民主党政権になって医療の規制改革に加速度がついた」と話した。
日本医師会は医療分野に市場メカニズムを持ち込むことに、一貫して後ろ向きだ。小泉政権の時代、その流れに弾みがついたことに業を煮やし、民主党政権の誕生後は、政権との関係を再構築すべく執行部の体制を刷新した。
執行部の思惑は空回り気味だ。菅政権は、閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針に「競争力強化などの抜本的な国内改革を先行的に推進する」と記した。これに堪忍袋の緒が切れた。
国を開いて内外の人・もの・お金の流れをよりスムーズにし、各国間で制度を調和させてゆく改革は避けがたい。消費税増税と同様、その課題には、どの政権であっても向き合わざるを得ない。
たとえば、外国人や富裕層を対象に先進医療を担う病院の出現が考えられる。そのとき、ふつうの患者が不利益を被らない仕組みづくりこそが、日本医師会の仕事ではないだろうか。
中川氏は、TPPそのものは否定しないと述べた。そうであれば、新たな開国は避けられないと覚悟し、医療のグローバル化への備えを急ぐときだと思う。
日本経済新聞編集委員兼論説委員
大林 尚
マイケル・ウッドフォード 元オリンパス社長 2011.12.15
Michael Woodford, Former President and CEO of Olympus
司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)
通訳 ミラー和空
Olympus Grassroots.com
http://www.olympusgrassroots.com/
オリンパスのホームページ
http://www.olympus.co.jp/jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023699/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
「社長復帰は当然」日本的風潮を指弾
会見の冒頭で10分くらいのスピーチがあるのではないかと想定していた。しかし「プレゼンテーションはしない。いろいろ聞いてもらって、それに答えるために来た」という。ちょっと意外だった。
ゲストブックのサインは「日本の自由なメディアばんざい!」。それではまず直球で、と第一問で「社長復帰のつもりはあるかどうか」をたずねたが、あっさりはじき返された。「当然だ。そうでなければ、ここにいないよ」
なるほど。では、この不正事件で誰が得をしたのか。私が予想したのは「自己保身をしてきた経営者たち」といった答えだったが、これには「捜査で解明してもらう」と、慎重な言い回し。
だが、会見が進むにつれて、感情が高ぶっていったようだ。とりわけ、「会談を申し込んでも会おうとしない」オリンパスの高山社長について、激しい口調で批判。横顔や息づかいからも、怒りがひしひしと伝わってきた。
粉飾や不正は日本企業に特有ではないが、大株主が取引優先でだんまりを決め込んでいるので、株主全体の利益が損なわれている点は日本的。不正を告発した自分は株主から感謝されるべきだ、とウッドフォードさんは説いた。
会場からの質問をたくさん受けて答える中で、これを機に外国人取締役の起用を渋る風潮が日本企業の中に生まれるかもしれないという指摘に対し、「そんなことになれば、日本は海外から人材を集めることができなくなり、信用も落とす」と、ここでも強い調子で答えた。
グローバリゼーションの時代の企業統治が問われるいま、信頼回復へ歩み寄りの知恵が出てこないものだろうか。今度はオリンパス側に問いかけてみたくなった。
企画委員 朝日新聞編集委員 小此木 潔
玄葉光一郞 外相 2011.12.14
※同時通訳です。日本語は左チャンネル、英語は右チャンネル
English : Choose a right channel
Koichiro GEMBA, Foreign Minister , Japan
司会 日本記者クラブ企画委員 橋本五郎(読売新聞)
会見詳録(外務省ホームページより作成)
http://www.jnpc.or.jp/files/2011/12/df9cd51ccf8ce205787580f7c657003e.pdf
外務省のホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023673/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
外交演説、質量ともに向上を
外交責任者が、当クラブのような内外に開かれた場所で体系的なスピーチをする。そんな慣行ができればよいと常々、思っている。日々のニュースに即した話題(米軍普天間飛行場の移設問題や首相や外相の訪中日程、TPPの交渉日程など)は、毎日の記者会見などで触れてもらうとして、日本外交の基本姿勢や国際情勢の認識などをじっくりと語ってもらうのだ。
ところが、実際にはここ数年、そんなスピーチが実現したのは、2005年末から06年6月にかけて、当時の麻生太郎外相が4回にわたって「平和と安定の回廊」などについて演説したくらいだ。政権交代や民主党政治の混乱などで外相も頻繁に替わり、体系的な外交演説どころではなかったのだろう。
そこで、玄葉外相が「日本の豊かさはアジア太平洋地域とともに」と題するスピーチをするというので、期待して出席した。結果は「まずまず」との思いと、失望とが半々だった。「開放的で多層的なネットワーク」というキーワードを明確にしたのは良かった。日米中の戦略対話を進めるという具体的なアイデアも示された。減り続けているODAを増加に転じさせるという意欲も見せた。海外にはそれなりのメッセージとなっただろう。
一方で「日米同盟の深化」を強調したわりには、その具体策は語られなかった。民主党政権下の対米外交の混乱を反省しつつ、今後の展望を打ち出すことは、外交演説の柱となるべきだろう。台頭する中国との向き合い方についても、玄葉氏独自の考えを披歴してほしかった。
スピーチが40分、質疑が20分というのでは、いかにも短い。せっかくの外交演説である。質量ともにグレードを上げたい。「次の機会にはグローバルな問題について話したい」と予告した玄葉氏。次回は長時間の論争もお忘れなく。
企画委員 朝日新聞編集委員 星 浩
トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団理事長 2011.12.14
※同時通訳です。日本語は右チャンネル、英語は左チャンネル
English : Choose a left channel
Tomas Kåberger, Executive Board Chair, Japan Renewable Energy Foundation (JREF)
司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)
自然エネルギー財団のホームページ
http://jref.or.jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023651/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
脱原発への知見を披露
昨年8月にスウェーデンのエネルギー庁長官の職を辞し、孫正義・ソフトバンク社長が私財を投じて設立した「自然エネルギー財団」(本部・東京)の理事長として迎えられた。
任期半ばでの転身に踏み切ったのは、日本人の「福島原発事故を乗り越えたい」という強い意思に共感したため。190㌢を超す長身と力強い語り口に意欲をにじませ、日本が進むべき「脱原発」への知見を披露した。
スウェーデンは、国内発電量に占める水力発電などの自然エネルギーの割合が47%にも上る一方、原子力発電は原子炉12基のうち2基を停止するなど、縮小に向かっている。自然エネルギーの推進にかじを切ることができた背景には、国を挙げての支援策があるという。
化石燃料に税金をかけて木質バイオマス燃料の普及を後押ししたのをはじめ、風力発電なども産業として軌道に乗せた。電力会社の発電部門と送電部門を分離、近隣諸国と海中ケーブルをつないで電力の融通を可能にするなどし、電力市場を自由化。企業が新規参入し、電気料金の低価格競争が続いている。
では、電力会社が地域ごとに強力な独占体制を敷く日本でも、こうした改革は進むのか。「自然エネルギーを生み出すコストは、現在考えられているよりもずっと安くすむ。経済効率が非常に高く、投資のチャンスも広がると知ってもらえるよう努めたい」と強調。「原発は、高額の賠償金が派生する事故リスクを考えると割に合わず、削減していくべきだ。電力市場の開放と、官僚的な規制の撤廃も必要」と提言した。
工学博士であり、バイオエネルギー関連の企業で役員も務めるなど、豊富な知識と経験、人脈が武器だ。日本の政策にどんな影響を与え、市場をどう変えていけるのか。大きな期待がかかっている。
東京新聞特別報道部 小倉 貞俊
山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 2011.12.09
Kazuhito YAMASHITA, The Canon Institute for Global Studies
研究会「TPP」③
司会 日本記者クラブ企画委員 村田泰夫
キヤノングローバル戦略研究所のページ
http://www.canon-igs.org/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023628/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
自由貿易こそ食料安保の基礎
東日本大震災で中断していた研究会「TPP」を再開した。今後、政治家、経済人、研究者らの中から推進、反対両派の論客を招くことにした。最初に推進派の山下一仁氏に来ていただいた。
山下氏は農水官僚出身で、ガット・ウルグアイラウンド交渉の当事者でもあったから、農業問題だけでなく通商問題にも精通している。
それだけに、巷にあふれる「TPP亡国論」には納得がいかないようだ。「TPPは米国の謀略だ」「食品安全規制が引き下げられる」といった懸念について、山下氏は根拠を示して誤りだと断じた。
関税撤廃で大きな打撃を受けるといわれる日本農業の問題について、山下氏の論説は歯切れがいい。「人口減少で国内市場が縮小する時代には輸出に活路を見出すしかなく、日本農業にはTPPが必要である」
日本農業の競争力については、高品質の農産物をつくる、増収技術を磨く、減反をやめるなどの農政転換に踏み切れば、海外産と十分対抗できる。どうしても残る内外価格差については、大規模農家に絞って政府が農家の所得を補償する。大規模農家への助成は、零細農家に支払う地代の上昇につながるので、零細農家も潤うはずだという。
米づくりに適している日本は、減反をやめて良質米の大量生産に徹し、平時は海外に輸出する。小麦や飼料穀物は輸入しても構わない。万が一の事態が起きて食料輸入が止まった時には、海外に出していた米を国内に回せば国民は飢えないですむ。これが食料安保だという。
TPP問題はなぜか議論が熱くなる。会場からは「TPPにこだわらず、アジア諸国との自由貿易協定を優先すべきではないか」など、活発な質問が出た。研究会を重ねることで冷静な議論を深めていきたい。
企画委員 朝日新聞出身
村田 泰夫
ソーラーカー「2011年型 Tokai Challenger」説明と走行の様子 2011.12.08
2011年10月に行われた世界大会「ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」で優勝した、東海大学「ライトパワープロジェクト」のソーラーカーチームが優勝をかざったソーラーカー「2011年型 Tokai Challenger」を展示し、実際に走る様子を記者たちに見せた。
記者会見の様子はこちら
http://www.youtube.com/user/jnpc?feature=mhee#p/u/0/N8aysSOH3r0
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023634/
東海大学ソーラーカー優勝チーム 記者会見 2011.12.08
Tokai University Solar Car Team, 2011 Veolia World Solar Challenge
2011年10月に行われた世界大会「ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」で優勝した、東海大学「ライトパワープロジェクト」のソーラーカーチームが記者会見をした。
優勝をかざったソーラーカー「2011年型 Tokai Challenger」を展示し、実際に走る様子を記者たちに見せた。
ゲストスピーカーは右から
山田清志(教育担当副学長)
大塚 滋(チャレンジセンター所長・法学部教授)
木村英樹(チャレンジセンター次長・工学部電気電子工学科教授)
瀧 淳一(学生リーダー・工学部動力機械工学科3年)
徳田光太(ドライバー・工学研究科2年)
司会 日本記者クラブ企画委員 泉宏
東海大学のページ
http://www.u-tokai.ac.jp/WSC2011/
東海大学ライトパワープロジェクトのページ
http://deka.challe.u-tokai.ac.jp/lp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/12/r00023634/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年1月号に掲載)
勝因は「ものづくり日本」の総合力
「今年はとにかく勝ちたかった」─。
2011年10月16日から23日までの日程で開催されたオーストラリア大陸横断ソーラーカーレース「WORLD SOLAR CHALLENGE」で2連覇を果たした東海大学のソーラーカーチームが苦闘のレース経過と優勝の喜びを語った。
都心部も真冬日だった12月8日午前、日本プレスセンター玄関の横にソーラーカーが運ばれた。オーストラリアのダーウィンからアデレードまでの約3000㌔を走破した「世界最強のソーラーカー」。全長4・98㍍、全幅1・59㍍、全高0・88㍍で重量はわずか140㌔。平均時速90㌔超のスピードで大陸縦断レースを勝ち抜いたレーシングカーとは思えない華奢なボディだ。
「東海大学は7割近くが理系。教育の一環でレースに参加している」(山田清志副学長)が、大震災で新エネルギーが注目されたこともあり、「今年だけは何としても、と皆必死で戦った」(木村英樹監督=工学部教授=)という。優勝のシャンパンファイトは福島産日本酒の発泡酒。砂嵐、森林火災...。20カ国・地域からの参加37チームで完走はわずか7チーム。文字通りの耐久レースを克服したのは「チーム全員の熱意と団結と協力企業の技術サポート」(同)。まさに、ものづくり日本の総合力の勝利だ。
かつての常勝チーム、オランダは億円単位の資金を投入して参戦。東海大チームは「一桁少ない資金だったが、発電効率、軽量化、空気抵抗の低減など技術力で上回った」と分析、省エネのシンボルともなるソーラーカーの実用化と普及に「少しでも貢献できれば」と胸を張った。
企画委員 時事通信出身 泉 宏