2012年02月29日 15:00 〜 16:30 10階ホール
シリーズ企画「3.11大震災」 藻谷浩介 日本総合研究所調査部主席研究員

会見メモ

使用した資料

http://www.jnpc.or.jp/files/2012/02/9ef26980e47ac4a16d768751740d3873.pdf


司会  日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞社編集委員)


日本総研ホームページ(藻谷浩介氏のページ)

http://www.jri.co.jp/page.jsp?id=20680


日本記者クラブのページ

http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/02/r00023917/

6月28日に復興構想会議検討部会専門委員として会見したときのページ

http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/06/r00022873/


会見リポート

メディアも日本経済の実態を見よ

岡田 晃 (テレビ東京出身)

昨年6月に続いて、シリーズ企画「3・11」で2度目の登場である。


いきなり、「クイズ」から始まったのには驚いた。「昨年の日本の国際収支は第2次石油ショック以来、31年ぶりの貿易赤字となった。再び黒字化する方策は?」という問いで、正解は輸出競争力回復でもなければ、円安誘導でもない。「家庭用電力料金値上げで省エネを進める」である。


その趣旨はこうだ。昨年に貿易赤字になった最大の理由は原発事故によって電力会社の原油輸入が増加したためだ。したがって再び黒字化するには原油の輸入が増えないようにする、つまり電力使用量を減らすということだ。


ところが多くの人は、貿易赤字転落は輸出の減少が原因だと思っている。しかし氏はリーマン・ショック後、輸出は大幅に回復し最近も減っていないことを輸出額の実数で示し、「円高で日本の輸出が減った」「日本の衰退」などというイメージに惑わされていると指摘する。


話は、貿易から消費の現実、少子高齢化などにも及び、日本経済の実態がいかに誤って理解されているかを、データと「クイズ」を交えて次々に明らかにしていった。


そして、その責任はメディアにあると手厳しい。「通説や社会通念からではなく、事実に基づくべきだ」と強調した。そうした批判を我々も真摯に受け止める必要があるだろう。


いずれも説得力のある指摘であり、「目から何枚もウロコが落ちた」(司会の小此木委員)と感じた人が多かったのではないだろうか。


ただ、震災から1年を迎える被災地の復興状況や必要な対策などについての言及があまりなかったのは残念だった。復興構想会議の専門委員を務めた氏ならではの意見を聞きたかった。


ゲスト / Guest

  • 藻谷浩介 / Kousuke Motani

    日本 / Japan

    日本総合研究所調査部主席研究員 / Executive chief engineer, The Japan Research Institute

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」

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