2024年03月19日 14:00 〜 15:00 10階ホール
田村智子・日本共産党委員長 会見

会見メモ

1月18日に日本共産党の委員長に就任した。自身の責務を「必ず自民党政治を終わらせること」と強調。「自民党打破宣言」と題して①経済再生②憲法9条を生かした政治③ジェンダー平等の実現ーーを掲げた。

日本共産党の委員長交代は23年ぶり。女性の委員長は結党102年目にして初。

 

司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信)


会見リポート

「変革」と「不変」が相伴

丸橋 博之 (時事通信社政治部)

 女性初の党首となる田村智子委員長に、23年ぶりの党首交代を果たした共産党。100年超の歴史を持つ「老舗政党」の鮮烈人事の余波が残る中での記者会見となったが、党の「変革」と「不変」が相伴するものとなった。

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で今後の政局の行方が混迷する中、田村氏は「私の責務は必ず自民党政治を終わらせることだ」と強調。①経済再生②憲法9条を生かした政治③ジェンダー平等の実現を掲げ、自らの「自民党打破宣言」とした。

 故安倍晋三元首相の「桜を見る会」前夜祭の追及で名をはせた論客でありながら、「タムトモ」の愛称で親しまれる田村氏。選択的夫婦別姓の必要性を訴える姿には説得力があり、党刷新への期待が集まるのは当然だ。

 専ら質問は昨年来、物議を醸してきた、党内での分派活動を認めないとする組織原則「民主集中制」のありように集中した。

 田村氏は「多数決で決めたことはみんなで実行する。国民に責任を負う以上、そうしなければバラバラな党になる」と説明。「私たちの改革には抵抗が多い。団結が必要だ」とも語り、方針を堅持することへの理解を求めた。

 過去に国家権力から厳しい弾圧を受けたり、党内で激しい路線争いをしたりした歴史を持つが故に、ことさら「一枚岩」を重視することは理解できる。また、田村氏の説明にも大きな論理的破たんはない。

 ただ、党は現在、民主的な選挙を通じた「多数者革命」を目指すとの立場だ。国民の半数が無党派層となる中、内向きになり過ぎるよりも、外に目を向けることは党勢拡大にも資するはずだ。いたずらに「反共攻撃」の材料として利用されないためにも、「革命政党」の「変革」も求められる時代なのではないかと感じた。


ゲスト / Guest

  • 田村智子 / Tomoko TAMURA

    日本共産党委員長 / Chairman, the Japanese Communist Party

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