2016年07月13日 14:00 〜 15:30 10階ホール
東京都知事選立候補予定者 共同記者会見

会見メモ

東京都知事選(7月14日告示 31日投開票)に立候補を表明している宇都宮健児氏、小池百合子氏、鳥越俊太郎氏、増田寛也氏が会見し、記者の質問に答えた。
司会 小栗泉 日本記者クラブ企画委員(日本テレビ)/川上高志 企画委員(共同通信)/瀬口晴義 企画委員(東京新聞)


会見リポート

候補の資質あぶり出す工夫

川上 高志 (企画委員 共同通信社論説副委員長)

東京都知事選の候補者による共同会見は、開催前日に主要候補がようやく出そろうという厳しい日程の中で実現した。2代続けて「政治とカネ」をめぐる不祥事で知事が辞任する異常事態。2人の資質を十分にあぶり出せなかった点でメディアも責任を免れないと考えている。

 

それだけに主要4候補が初めてそろい踏みする機会となった共同会見の重みをひしひしと感じながら臨んだ。

 

山積する都政の課題への見解とともに、候補者の個性を引き出す工夫を心掛けたつもりだ。結論を言えば政策論議はかみ合わなかったと思う。説明能力に優れる各氏は自己アピールに終始した。ただ選挙戦のスタートとして、各氏の人柄、見識、戦略の一端を浮かび上がらせることはできたのではないか。

 

自民党を割って早々に出馬表明した小池百合子元防衛相は、自民、公明両党の推薦を受ける増田寛也元総務相に対して「増田さんはどうして(与党推薦が)私じゃなかったと考えるのか」と迫った。対立の構図を打ち出すことにより、「逆風の中で初の女性都知事をめざす」という戦略が鮮明になった。対する増田氏は「行政の現場で生きてきた人間」だと官僚、岩手県知事の経験をアピールした。東京一極集中による「地方消滅」を指摘してきた立場から、五輪に向けた東京の再開発と地方の衰退にどう臨むのかを問い掛けた。

 

告示直前に出馬表明したジャーナリストの鳥越俊太郎氏は「安倍政権は戦後最悪の内閣」と言い切った。公約に掲げた「がん検診受診率100%」を高齢化という問題にどう絡めていくのか。政策の具体化が課題であることは明確になったと思う。弁護士の宇都宮健児氏は会見後に出馬を辞退した。貧困・格差対策を掲げた宇都宮氏の支持者の動向が選挙戦の1つの焦点であり、主張を聞く意味はあったと考える。

 

共同会見は選挙戦の緒戦に過ぎない。候補者を見極めるため、さらに論戦を深める必要性を痛感した。


ゲスト / Guest

  • 都知事選立候補予定者

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