2015年08月18日 12:00 〜 13:30 9階会見場
宮内義彦 日本取締役協会会長 昼食会「東芝不適切会計問題と企業統治」

会見メモ

東芝不適切会計問題を受けて、日本取締役協会の宮内義彦会長(オリックス シニア・チェアマン)が企業統治のあり方について話し、記者の質問に答えた。
司会 安井孝之 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)


会見リポート

東芝「不適切会計」はトップの資質の問題

大澤 賢 (中日新聞・東京新聞出身)

社長経験者3氏が辞任した東芝の不適切会計問題について、宮内氏は「トップが意図して隠そうとしたり間違ったことをした場合、社外取締役がが活動していても見つけることは不可能だ。米国でもエンロンなどの事件はあった。上が間違ったことをすればこうなるというだけの話ではないか」と語り、トップの資質の問題とした。

 

だが140年の歴史を持つ企業で不祥事がなぜ見過ごされたのか。宮内氏は不正発覚には「内部告発と監査法人の発見の2つしかない」としつつ、日本企業の経営構造が同質的・保守的であることを指摘した。「日本では業績不振の経営者が次の経営者を選ぶ。欧米の場合、社外取締役が次のトップを選ぶ。日本では革新的な経営者は出にくい」「ROE(株主資本利益率)で見れば日本企業の経営力は欧米企業の半分だ」

 

会見の締めくくりはバブル崩壊後、同氏がずっと主張してきた「日本型経営」の改革。「日本の経営者は魂があり過ぎる。従業員や取引先、地域、株主など多くを担ぎ過ぎていて身動きが取れない。一方、米国は株主を徹底的に大事にする。どちらも極端で、私は(中間地点である)ハワイが天国だと言っている」と語り会場を沸かせた。


ゲスト / Guest

  • 宮内義彦 / Yoshihiko Miyauchi

    日本 / Japan

    日本取締役協会会長 / Chairman, Japan association of corporate directors

研究テーマ:東芝不適切会計問題と企業統治

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