2015年05月25日 13:00 〜 14:00 10階ホール
第2回山本美香記念国際ジャーナリスト賞受賞者リカルド・ガルシア・ビラノバ氏 会見

会見メモ

スペイン人フォト・ジャーナリストのガルシア・ビラノバさんがシリア内戦、イスラム国取材について話し、記者の質問に答えた。会見のはじめに、山本美香財団代表理事のジャーナリスト、佐藤和孝氏が、受賞理由について説明した。
司会 瀬川至朗 日本記者クラブ元企画委員
通訳 丸山啓子
山本美香記念国際ジャーナリスト賞公式サイト


会見リポート

「ジャーナリストが現地に赴き伝えようとしなければ、反啓蒙主義に陥ってしまう」

瀬川 至朗 (毎日新聞出身)

スペイン人フォトジャーナリスト。2012年8月、シリアの内戦を取材中に凶弾に倒れた山本美香さんと同じフリーランスだ。イラクやシリアの現場取材を重ね、紛争地に生きる人々の姿を活写した作品が選考委員に高く評価された。

 

自身は、13年秋に過激派「イスラム国」(IS)に拘束され、半年後に解放された経験をもつ。その後もひるむことなくシリアに行き、ISに対峙する人々を写真や映像に収め、発信を続けている。

 

会見では信念の強さを感じた。「シリアで起きていることは、おそらく第二次世界大戦後の最大の危機」と指摘し、「その国に何が起きているか、特に民間の人々に何が起きているのかを伝えるのがジャーナリストの仕事だ」と語る。その使命感は揺らぐことがない。

 

「反啓蒙主義」という発言が印象に残った。人は情報を知らない方がいい、あるいは人に情報を知らせたくないという考え方だ。反啓蒙主義がはびこると、社会は光が差さない暗闇になる。日本はその方向を向いていないのか。ジャーナリストは社会を暗闇にしないために不可欠な存在だと、ガルシア氏は強調した。


ゲスト / Guest

  • リカルド・ガルシア・ビラノバ / Ricardo Garcia Vilanova

    スペイン / Spain

    ジャーナリスト / Journalist

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