2015年04月07日 16:30 〜 17:30 9階会見場
ブシャティ アルバニア外相 会見

会見メモ

アルバニアのブシャティ外相が外交政策などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長
通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)
外務省HP アルバニア


会見リポート

鎖国政策の後遺症、今も 「やることはたくさんある」

三好 範英 (読売新聞編集委員)

アルバニアの首都ティラナから北部の町クケスまで、コソボ難民取材のため向かったことがある。ガードレールもない九十九折りのデコボコ道を、借り上げタクシーでほぼ半日。驚いたのは、途中でトンネルが1つもなかったこと。鎖国だった特異な共産主義体制下、インフラ建設もろくに進まなかったのだ。「欧州の最貧国」を実感した。

 

あれから16年。伝えられるニュースはまれになったが、経済再建ははかどっているのか。会見で印象深かったのは、今も共産主義の痕跡が残るとの指摘だ。法の支配、多元的社会、政敵と理解し妥協する姿勢等々、まだ学習途上。政治を「ゼロ・サムでなく、ウィン・ウィンの関係」ととらえる見方がようやく生まれてきたところ、という。

 

経済特区は緒に就いたばかり。経済再建に必要な安定した行政、能力主義、透明性はまだまだ、と外相は認めた。昨年、EU加盟候補国となり、会見でも10年以内の加盟目標を口にしたが、「スピードが足りない。やることはたくさんある」。欧州の普通の国になるまでまだ道遠し、だろう。

 

ちなみに、アルバニアからの日本記者クラブゲストは、08年2月のベルシャ首相以来、2人目。


ゲスト / Guest

  • ディトミル・ブシャティ / Ditmir BUSHATI

    アルバニア / Republic of Albania

    外相 / foreign minister

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