2015年03月03日 11:30 〜 12:30 10階ホール
クリムキン ウクライナ外相 会見

会見メモ

ウクライナのクリムキン外相が会見し、記者の質問に答えた。
司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
通訳 長井鞠子(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

ロシアとの関係復帰「予想される将来はない」

杉田 弘毅 (企画委員 共同通信編集委員室長)

2月15日から停戦が発効したことになっているが、砲声はやんでいない。「これはウクライナの問題ではない。国際社会の価値観、ルール、原則が試されている」と強調し、ウクライナの領土保全、主権を擁護するように訴えた。

 

ロシア軍の支援を受けた親ロシア派が、ウクライナ東部で支配力を強める。劣勢のウクライナのために欧米の国々が訓練や支援を始めた。「米国、英国、オーストラリアが軍事専門家や顧問団を派遣しており、歓迎している」と述べた。この地政学上の要衝で、ロシアと米国及びその同盟国が代理戦争を始めている構図が浮かんでくる。

 

ウクライナは兵器も足りない。米国に要請しているのは「攻撃を仕掛けるものではなく、『反撃に必要な重要兵器』である」と説明し、通信設備や無人機を挙げた。オバマ大統領はこうした兵器を渡せば、戦闘がさらに激化し、米国製最新兵器がロシア側の手に落ちる事態も懸念して消極的だ。

 

ロシアの関係の復帰は「予想される将来はない」。クリミアがロシアに併合されたままであるならば、ロシアとの復縁に踏み切れないのは当然だ。安倍首相との会談では、首相が早期ウクライナ訪問の意向を示したという。


ゲスト / Guest

  • パウロ・クリムキン / Pavlo KLIMKIN

    ウクライナ / Ukraine

    外相 / Minister for Foreign Affairs

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