2015年01月16日 11:00 〜 12:00 宴会場(9階)
ラドスース 国連PKO局長 記者会見

会見メモ

ラドスース国連PKO局長が会見し、国連の平和維持活動の現状について話した。
司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長
通訳 澄田美都子(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

PKOの任務が複雑化 日本には後方支援を期待

土生 修一 (日本記者クラブ事務局長)

外務省報道官、中国大使などを歴任したフランスの外交官出身で、2011年から現職。

PKOの任務が、停戦監視中心の「伝統型」から、内戦で破壊された統治機構再生援助などへと複雑化している現状を報告した。特に、PKO全体の90%が展開中のアフリカでは、イスラム過激派や麻薬国際組織などの「非国家集団」が治安悪化の元凶になっており、新しい対応が必要だと訴えた。

 

日本のPKOについては、「これまでの質の高い貢献には感謝している。憲法の制約は承知しており自衛隊を紛争の最前線に派遣してもらおうとは思っていない。エンジニア部隊派遣や本部機能強化での貢献に期待している」と要望した。安倍政権の安保政策には「結果として日本のPKO拡大強化につながるなら私たちの目的にもかなう」とコメントした。

 

アフリカのマリで、イスラム過激派が青年の両手を切断する場面を目撃したこともあるという。危険な場所での多数の人命にかかわる判断を下すポストだが、柔和な表情を絶やさず、ユーモアも忘れない。「大人の外交官」の円熟味を感じた。


ゲスト / Guest

  • エルベ・ラドスース / Herve Ladsous

    国連平和維持活動担当事務次長(PKO局長) / Under-Secretary-General for Peacekeeping Operations,UN

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