2014年10月30日 15:00 〜 16:00 10階ホール
ピーター・リスト イケア・ジャパン社長 「成長戦略には何が必要か 現場からの視点」12

会見メモ

家具小売り世界大手イケア(スウェーデン)の日本法人、イケア・ジャパンのリスト社長が、9月から導入した短時間正社員制度などについて説明した。この制度は社員の7割を占めるパート社員に正社員と同じ人事制度を適用するというもの。

司会 水野裕司 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞論説副委員長)

通訳 森岡幹予(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

日本と欧米のスタイル織り交ぜ 働きやすい制度導入

水野 裕司 (企画委員 日本経済新聞論説副委員長)

イケア・ジャパンはスウェーデン企業で家具小売り世界最大手、イケアの日本法人。9月からパート社員が、誰でも正社員になれるという制度を始めた。努力次第で正社員と同じようにポストが上がり、賃金も上がる。正社員と非正規社員の二極化が進む日本で注目される取り組みだ。リスト社長に新制度を設けた背景を語ってもらった。


「コミュニケーション重視」のリスト氏は昨年1月に日本に着任後、60人以上の社員の家庭を訪問。トヨタ自動車も訪れ社内の一体感の大切さを確認した。「会社で働くすべての人と、正規雇用契約を結ぶべき」と考えるに至ったという。


制度のもう1つのポイントは、子育て、親の介護など状況にあわせ、短時間勤務ができる点だ。週間労働時間を最も少ない場合で12時間に減らせる。フルタイムで働くのが難しいパート社員はもちろん、従来正社員だった人も、1週12時間、24時間などの短時間勤務に移れる。「世界で一番大切な場所は家庭」。それが表れている。


一体感という日本型雇用の強みを引き出し、柔軟な働き方という欧米流の良さも追求する。これからの雇用を考えるうえで示唆に富む話だった。


ゲスト / Guest

  • ピーター・リスト / Peter List

    イケア・ジャパン代表取締役社長 / President & CEO, IKEA JAPAN K.K.

研究テーマ:成長戦略には何が必要か 現場からの視点

研究会回数:12

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