2014年10月03日 12:00 〜 13:30 10階ホール
大野恒太郎 検事総長 昼食会

会見メモ

本年7月に就任した、大野恒太郎・検事総長が会見した。検察改革について、(検察は)刑事司法の最初から最後まで能動的に関わっているので、刑事司法改革につながらなくてはいけない、と述べた

司会 瀬口晴義 企画委員(東京新聞)


会見リポート

「格好悪いことを気にしない」未来志向の検察改革を語ったが…

坂口 祐一 (日本経済新聞編集委員兼論説委員)

とにかくいろいろあったけれど、検察はもう吹っ切りましたから――。そんな雰囲気が伝わってくる昼食会だった。


大野氏はかんで含めるように、「未来志向の検察改革」を語った。その原点に掲げた「公平誠実」な人柄がうかがえるようだ。だが話の所々で、違和感も覚える。検察の目で整理し直した、新たな公式見解を聞いている気がするからである。


たとえば、取り調べ中心の捜査が立ち行かなくなった理由を、容疑者や弁護士、裁判所などの外部要因にだけ求めているように感じる。可視化への積極対応の方針はもっともとして、録音・録画の弊害を訴えていたはずの一線の検事たちの憤りはどう解決されたのだろうか。検察制度や組織の「疲労」に踏み込んだ話も聞きたかった。


大阪地検特捜部による証拠品の改ざんが発覚してから4年。法制審議会の議論も乗り切り、新たな一歩を踏み出す思いであろう。新時代に対応する検察のあり方を模索する中では、「格好悪いことも出てくる。それを気にしない」と述べた。この言葉の通りの、成功体験にとらわれない、国民目線に立った改革の徹底を期待したい。


ゲスト / Guest

  • 大野恒太郎 / Kotaro Ono

    検事総長 / Prosecutor General

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