2014年09月03日 15:00 〜 16:00 10階ホール
「成長戦略には何が必要か」10 谷田千里 タニタ代表取締役社長 会見

会見メモ

健康計測機器メーカー・タニタの谷田千里社長が「国民の健康増進に貢献し医療費抑制に寄与することが自社の成長戦略」として、健康寿命を延ばすための事業展開について語った。

司会 水野裕司 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)

会見リポート

創業90年 楽しさ戦略が話題に 「健康生活」を海外にも売り込む

石鍋 仁美 (日本経済新聞編集委員兼論説委員)

無理なく痩せられるとうたう社員食堂のレシピが、3冊計532万部のミリオンセラーに。ある職場で、結婚する同僚への祝電を電話で申し込むと、オペレーターがこう確認した。「食堂のタニタさんですね」。創業90年。戦後はいち早く家庭用体重計「ヘルスメーター」を商品化した。メーカーと思われない日が来るとは、と笑う。


食品会社に飲食店と、提携の申し込みは多い。諾否の基準は「売上高ではなく真剣さ」。健康な人を増やし、生活の質を上げ、国の医療費は減らす。本業での社会貢献を追うことが企業も成長させるという、いまの経営トレンドに沿う戦略だ。


アニメ声優の声で結果を教える体組成計も開発した。健康に無頓着なオタク層に「体重を測る」習慣を身につけてもらうためだ。自治体や団地には調理指導や面談を組み合わせた健康管理プログラムも提供。楽しく健康を目指す「タニタ生活」を「海外にもそっくり売り込む」と意気込む。


健康、清潔、便利、快適、自由、楽しさを備えた現代日本の生活は、豊かさと平和の中で私たちが築いた成果だ。今後は成長するアジアや新興国への有力な輸出商品になると、あらためて確認できた。


ゲスト / Guest

  • 谷田千里 / Senri Tanida

    日本 / Japan

    タニタ代表取締役社長 / President, TANITA

研究テーマ:成長戦略には何が必要か 現場からの視点

研究会回数:10

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