2014年08月04日 12:00 〜 13:30 10階ホール
メリチ 新駐日トルコ大使 昼食会

会見メモ

トルコのビュレント・メリチ駐日大使が会見し、トルコ外交の基本的な理念や対日関係の現状などについて説明した。シリアやイラクなど周辺諸国の情勢については、アラブの春が冷戦時代に逆戻りするような局面をつくりだしている、と。

司会 脇祐三 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)

通訳 ボアチ・ウリケル駐日トルコ大使館専門官

会見リポート

世界の変化の真ん中で 「新しいトルコ」へ

二村 伸 (NHK解説主幹)

「戦後の秩序がいまの世界に対応しきれなくなっている」。メリチ大使は、冷戦終結後の世界に3つの転換期があったと指摘した上で、現在の世界の情勢に強い懸念を示した。


ウクライナ、ナゴルノ・カラバフなど旧ソビエト連邦やシリア、イラクといった中東の厄介な問題は、トルコにとってまさに周辺事態であり、安全を脅かす切実な問題である。戦後、西側陣営の東の辺境だったトルコは、いまやユーラシア大陸の中央、世界の変化の真ん中にあり、地政学上きわめて重要な国であるという大使の言葉は決して誇張ではない。近隣諸国との平和と安定をめざす「ゼロ・プロブレム外交」によって政治的諸問題を解決し、地域での存在感を増してきたトルコだが、いまその外交が危機にさらされているという。


一方、建国100年を迎える2023年には「新しいトルコが誕生する」と大使は胸を張った。「トルコは日本を必要としており、日本もトルコを必要としている」。かつてエルドアン首相は「EUがトルコを必要としている」と述べたが、大使の言葉からもトルコの勢いと自信が感じられた。日本もトルコの期待に応えることができるだろうか。


ゲスト / Guest

  • アフメト・ビュレント・メリチ / Ahmet Bülent MERIÇ

    トルコ / Turkey

    駐日大使 / Ambassador

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