2014年04月09日 18:00 〜 20:00 10階ホール
トーベ・ヤンソン生誕100年の夕べ

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会見リポート

記録映画の上映と懇談会 「ムーミン」原作者の素顔に魅了され

明珍 美紀 (毎日新聞社会部)

「ねえムーミン こっちむいて」。テレビアニメやそのテーマ曲でおなじみの「ムーミン」。今年は原作者、トーべ・ヤンソンの生誕100周年とあって関連行事が相次ぐ。興味深いのはその人生観だ。一端を表す記録映画「ハル、孤独の島」(1998年)が、駐日フィンランド大使館の協力を得て、4月9日に10階ホールで上映された。


ロンドンの夕刊紙の依頼で54年に漫画ムーミンの連載が始まり、瞬く間に世界にその存在が知られるようになった。だが、過熱するムーミンブームとともに彼女は疲弊し、5年後には弟が連載の仕事を引き継ぐことに。ヘルシンキ近くの無人島「ハル」に小屋を建て、夏の間、後半生のパートナーであるトゥーリッキーと過ごした。女性2人、自然と触れあいながらのシンプルな暮らし。トーベのフィールドは、やがて児童文学から一般小説へと移行する。


映画はトゥーリッキーが日本製の8㍉カメラで撮った約20年の映像を編集した。踊りながら無邪気な笑顔を見せるトーベが印象的だ。


上映後はお茶と「ムーミンママ」のレシピによるパウンドケーキを味わいながらの懇談会(「夕べ」だけどノンアルコール)。駐日フィンランド大使館のミッコ・コイヴマー参事官は「ムーミンを入り口に、フィンランドの文化や自然を知っていただければ」と話す。


私自身、ムーミンの本やアニメに触れて育った。お気に入りだったのはスノーク(ノンノンのお兄さん)。大人になってわかったことだが、冒頭に登場するテーマ曲を作詞したのは、井上ひさしさんだった。


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