2014年03月27日 12:00 〜 13:45 10階ホール
昼食会 ヴェアテルン 新駐日ドイツ大使

会見メモ

3月初旬に着任したばかりのドイツのハンス・カール・フォン・ヴェアテルン大使が会見し、日独の政治・経済・文化関係の現状について語った。その後、ドイツのウクライナ情勢への対応、エネルギー政策、連邦軍の海外派遣問題などの質問に答えた。

司会 脇祐三 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)

通訳 ベアーテ・フォン・デア・オステン(ドイツ大使館)


会見リポート

ロシアとの対話パイプは開けておく

沢村 亙 (朝日新聞論説委員)

敗戦からの復興と戦後の急成長。ミドルパワーとしての存在感。几帳面で、もの作りがいたって得意。ドイツと日本は似たもの同士といわれる。


「長年の夢だった」という日本に着任して間もない記者会見で、まずは両国の「共通点」を説いてみせた。それは、成熟した民主主義と経済大国としての力を生かし、各国との対話を通じて、安全保障、世界経済、温暖化防止、格差解消といった地球規模の課題に取り組む役回りだという。


クリミアを併合したロシアに対しても、「しっかり制裁しつつ、対話のパイプは開けておくことが肝要」。ロシアにエネルギーを依存しているから強く出られないのでは、との意地悪な見方には、「財政をエネルギー輸出に依存するロシアこそ、ドイツとの関係悪化は致命的なはず。共通の利害があるということを見失ってはいけない」と、余裕の表情だ。


一方で日独の「違い」も指摘した。たとえば、日本の中小企業は内向きに見えるという。「両国でグローバルに協力しあえる分野なのに」。国民性も歴史も違う。違いがあればこそ学びあえる。「日本をじっくり観察して学びたい」


ゲスト / Guest

  • ハンス・カール・フォン・ヴェアテルン / Hans Carl von Werthern

    ドイツ / Germany

    駐日大使 / Ambassador to Japan

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