2014年03月05日 16:00 〜 17:30 10階ホール
新城猪之吉 福島県酒造組合長 記者会見

会見メモ

福島県酒造組合の新城猪之吉(しんじょう いのきち)・会長(会津若松市の末廣酒造社長)と渡部謙一・副会長(南会津町の開当男山酒造蔵元)が、東日本大震災から3年間の福島県産の日本酒の製造や販売の推移や現状などについて話した。会見後に、組合が提供した日本酒の試飲会を行った。

司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

風評被害にも「福島はめげません」

長澤 孝昭 (時事通信出身)

風評被害に苦しみながらも、ユーモアを交じえ、めげない決意を表明した。3・11で、65あった酒蔵のうち55が直接に被災した。それでも大半がいまも酒造りに励む。震災の年は全国各地から応援の注文が入ったが、原発事故後の酒米を使った新酒になった途端、注文がこなくなった。特にギフト需要が大きく落ち込んだ。「自分は気にしないが、お客さんに贈るとなると、贈れないよ」と言われたと新城会長は悔しがる。


気持ちはわかるが、消費者にとっては自衛行動的な面もあるから悩ましい。全袋検査をクリアした原料米をさらに抽出検査し、放射性物質不検出米だけを使っていると訴えても、状況が改善するまでには時間がかかるのが現実だ。


希望は昨年の全国新酒鑑評会で、常勝・新潟県を抑えて金賞数日本一に輝いたこと。今年の鑑評会(5月)も間近だ。「金賞をたくさん取って日本一を継続したい」


「飲んでおいしい」ことこそが風評被害を吹き飛ばす最高の切り札になるのだから。


ゲスト / Guest

  • 新城猪之吉 / Shinjo Inokichi

    日本 / Japan

    福島県酒造組合会長 / Chairman, Fukushima Prefecture Sake Brewers Association

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