2013年08月28日 12:00 〜 13:30 10階ホール 
松浦祥次郎 日本原子力研究開発機構(原子力機構)理事長 昼食会 日本

会見メモ

原子力機構理事長の松浦祥次郎氏が、「JAEA改革 ― 来し方、そして明日 ―」と題して話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 倉重篤郎(毎日新聞)

代表質問 日本記者クラブ企画委員 服部尚(朝日新聞)

日本原子力研究開発機構のウェブサイト

http://www.jaea.go.jp/index.html


会見リポート

「もんじゅ」どうする 組織改革へ覚悟も

服部 尚 (企画委員 朝日新聞編集委員)

高速増殖原型炉「もんじゅ」の機器点検漏れや、加速器実験施設「J─PARC」放射能漏れ事故を起こした原子力機構の理事長に6月に就任した。8月には文部科学省による組織改革に向けた基本方針がまとまり、具体案を検討している。


「もし改革に失敗したら原子力機構は消滅するのではないかと感じている」と覚悟を語った。理事長の要請はいったんは断ったことを明かしたうえで、「機構の前身のひとつである日本原子力研究所で育った研究者として、実家の大火事を見過ごすわけにはいかない。原子力の可能性をあらためて追究したいと思い直した」と語った。


「もんじゅ」は1995年にナトリウム漏れを起こして以来、長期の停止を強いられた。ナトリウム漏れ事故は国際事故評価の尺度では、「レベル0」から「レベル7」の8段階のうち、下から2番目の「レベル1」と評価されたが、地元に絶対安全を強調し、さらに事故後は隠ぺいまでしたことが社会の信頼を失ったと分析した。今後も類似のトラブルや事故は起こり得るとして「メディアのクールで適切な報道をお願いしたい」と呼びかけた。


文科省での有識者会合では「もんじゅ」を原子力機構から切り離して、独立の研究組織で動かすべきだという議論もあった。


「切り離しても誰も面倒をみられない。ないものねだり。機構が担うのがまだましという選択」「核燃料サイクルや原子力政策のなかで、『もんじゅ』をどう位置付けるのかきちんと決めないと、現場のモチベーションは上がらない」


国の姿勢が明確でないまま、「もんじゅ」の再稼働に向けて取り組まなければならない。そんな状況への複雑な思いも垣間見えた。


ゲスト / Guest

  • 松浦祥次郎 / Shojiro Matsuura

    日本 / Japan

    日本原子力研究開発機構(原子力機構)理事長 / President of Japan Atomic Energy Agency

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