2013年06月19日 15:00 〜 16:00 宴会場(9階)
甘利明 経済再生担当相

会見メモ

甘利明・経済再生担当相が会見し、「Japan is Back」のテーマで、これまでの安倍政権の経済財政政策の成果、アベノミクスの戦略、今後の課題について話した。消費税引き上げについては、景気が好転し、判断できる環境を整えることに全力をつくしたい、と述べた。アベノミクスと過去の政策との違いについては、これまでは成長戦略が出来上がった時点で満足し、検証をすることがなかった。アベノミクスでは、1年ごとに検証し、達成できる道すじを描いていく。この点が一番違っている、と。

司会 日本記者クラブ委員 星浩(朝日新聞)


会見リポート

成長戦略 官民連携の覚悟促す

堀江 隆 (朝日新聞経済部長)

アベノミクス3本の矢のうち最も影が薄いのが、成長戦略だろう。

第1の矢である金融緩和のインパクトは大きかった。画期的な「新薬」か、「毒薬」かの議論はあるが、劇薬には違いない。それに比べ第3の矢、成長戦略はメニューの種類は豊富でも目玉に欠けると感じていた。とりまとめ役の甘利氏がどう説明するかに関心があった。

医薬品のネット販売、待機児童解消、産業基盤強化、英語教育──。具体的なメニューの説明は実によどみなかった。ただ終始腕組みをして身ぶり手ぶりも控えめだったせいか、淡々とした印象だった。その甘利氏が最も言葉に力を入れたのが、「過去の政策とアベノミクスの一番の違いは」という問いへの答えだった。

「デフレへの認識、デフレがどれほど経済対策の効果を減じているかの認識が弱かった。安倍首相は金融政策の力をすごく信じていた。結局、大胆な金融政策は私が想像した以上に力がある。安倍さんの方が正しかった」。やはり一番の違いは金融緩和のパワー。その後押しがあればこそ成長戦略も力を持つという。

消費税率を予定通り来年4月に8%に引き上げるのかどうか。甘利氏は判断の時期を「10月」と明言したうえで、政府の経済成長見通しが2・5%であることに触れ、「この判断の下であれば粛々と引き上げができると思っている」と語った。

その消費税増税の「環境づくり」の面でも成長戦略の役割は大きい。そもそも成長戦略は企業を後押しするための「支援策」。それだけで景気を好転させるものではなく、カギは企業が行動するかどうかだ。

甘利氏が企業経営者に付けた注文は、その通りだと感じた。

「企業側も決断して前に進む覚悟をしてもらわないといけない」

ゲスト / Guest

  • 甘利明 / Akira Amari

    日本 / Japan

    経済再生担当相 / Minister in charge of Economic Revitalization

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