2013年05月30日 16:30 〜 17:30 10階ホール
三浦しをん 作家 総会記念講演

会見メモ

作家の三浦しをんさんを招き、総会記念講演を行いました。橋本五郎・企画委員(読売新聞特別編集委員)が聞き手役を務め、対談形式でお話しいただきました。

司会 日本記者クラブ理事長 吉田慎一(朝日新聞)

聞き役 日本記者クラブ企画委員 橋本五郎(読売新聞)


会見リポート

しをんの花園を散策する

橋本 五郎 (企画委員 読売新聞特別編集委員)

権威のある日本記者クラブの総会記念講演で、これまでと全く毛色の違う、史上最年少の講師をお迎えするにあたって最も考えたのは、「普段着のおもしろさ」を引き出したいということだった。しをん作品の何とも言えぬ「ふくよかなおかしみ」、斜めに構えているかのようでずばり本質を見る目みたいなものが浮かび上がったらいいなと思った。

対談のタイトルも、しをんさんの著書『秘密の花園』をもじって「しをんの花園を散策する」とした。最も気にしたのは、聴いた方々が退屈せず、少しでも「おもしろかった」と言ってくれることだった。

そこで、昼夜逆転という作家としての日常生活、『格闘する者に○』『乙女なげやり』などのタイトルの決め方、自分の小説への反応をブログで確かめるプラスマイナス、編集者との関係などを聞いてみた。

懇親会になって何人かの方に感想を聞いた。聞き手にそう聞かれては「おもしろくなかった」と言うわけないと思いつつ、「おもしろかった」と言われると、とてもうれしい気がした。ブログで「しかもブスだよね」と書かれ、「顔面で書くわけじゃねえんだよ。パソコンで書くんだよ」と心で怒った話を確かめた時は「思わず凍りついたよ」という友人もいた。しかし、しをんさんは「だって事実だもんね」と実にさらりと答えていた。このあたりが「しをんファン」の多いゆえんなのだろう。

個人的に一番おもしろかったのは政治家論だった。石破茂自民党幹事長の家族のみなさんが家庭でどんなふうに石破さんの話に反応しているのかを心配(?)され、加藤紘一氏の「加藤の乱」の子どもっぽさの指摘など実に冴えていた。いつか政治家を俎上にのせた小説を読んでみたいと思ったのは決して私ひとりではないだろう。


ゲスト / Guest

  • 三浦しをん / Shion Miura

    作家 / Writer

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