2012年12月17日 14:00 〜 15:30 10階ホール
文楽入門講座と記者会見

会見メモ

人形遣いの桐竹勘十郎さんが文楽の基礎を学ぶ講座を行い、記者の質問に答えた。その後、「艶容女舞衣」(はですがた おんな まいぎぬ)の若妻・園の人形を使い、実演もした。太夫と三味線の著作権に配慮し、実演の部分は音をカットしています。

司会 泉宏 日本記者クラブ企画委員

冒頭の文楽についての解説は、渡辺幸裕(株式会社ギリー / ギリークラブ主宰)さんです。

公益財団法人・文楽協会のホームページ

http://www.bunraku.or.jp/


会見リポート

人形浄瑠璃 解説と実演と

塚田 博康 (東京新聞出身)

「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」を半世紀以上にわたって「あですがた」だと思い込んでいた筆者のことですので「蒙御免」と、のっけからお断り申し上げます。


補助金をめぐる橋下徹大阪市長との掛け合いという脇筋のほうで注目を集めた文楽(人形浄瑠璃)ですが、肝心の人形、義太夫節、太棹(義太夫節で使われる三味線)などの知識は、あまり一般的でないようです。


そこで日本記者クラブが、創立以来初めてという古典芸能の鑑賞教室を催しました。渡辺幸裕氏による文楽のルーツや用語の解説に続いて、12月26日に、なんと大阪府と市から「大阪文化賞」を受けた3世桐竹勘十郎師が人形遣いの実演を行いました。


人形の首と右手を操る「主(おも)遣い」左手担当の「左遣い」それに「足遣い」の3人が息を合わせて人形を動かします。頭の傾きや眼、眉の動きで情感を表現する主遣いもさることながら、一番やさしそうな足遣いでも、女性の人形には足がないので裾捌きなどで繊細に足の動きをあらわすのです。「足遣い10年、左遣い10年」といわれる修行の厳しさが偲ばれます。


人形の頭(かしら)の種類、主遣いのはく高下駄の滑り止めの工夫、人形の着付けなど、勘十郎師の懇切な説明でユネスコ無形文化遺産への指定は当然と、納得できました。


会員からは文楽の経営や、観客を増やす策などについて質問が続出し、勘十郎師が「艶容女舞衣」酒屋の段で処女妻お園が「いまごろは半七つぁん」と口説く名場面を演じ終えたときには予定を20分近く超過してしまいました。


新年2月、国立小劇場「妹背山(いもせやま)婦女(おんな)庭訓(ていきん)」などの公演をぜひご覧ください。


ゲスト / Guest

  • 三世 桐竹勘十郎

    文楽 人形遣い

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