2012年11月13日 16:30 〜 17:30 宴会場(9階)
バチェレ UNウィメン事務局長 記者会見

会見メモ

元チリ大統領でミチェル・バチェレUNウィメン初代事務局長が、女性の政治参加とリーダーシップの推進、女性の経済的機会の拡大、女性と女児に対する暴力の根絶などUNウィメンの掲げる3つの優先事項などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 宮田一雄(産経新聞)

通訳 長井鞠子(サイマル・インターナショナル)

UNWomenのウェブサイト

http://www.unwomen.org/


会見リポート

日本女性に一定の議席保証を

中川 千歳 (共同通信外信部)

男女平等と女性の地位向上を目指す「UNウィメン」事務局長に2010年に就任してから初の来日。日本では約6割の女性が第1子出産後に離職しているとして「経済成長と生産性向上にブレーキをかけている」と訴えた。

国会議員に占める女性の割合も世界全体では約20%なのに日本は13%台にとどまっていることも指摘、女性に一定の議席を保証するクオータ制(人数割当制)導入などの制度改革を提案した。

バチェレ事務局長はチリの保健相、国防相を歴任。06年にチリ初の女性大統領に就任し1期4年を務めた。小児科医の顔も持つ。

ただ、自身も家庭と仕事を難なく両立できたわけではないという。離婚したシングルマザー。「母親が助けてくれて」3人の子どもを育てあげたことも会見で披歴した。

大臣時代、ベッドに朝食を運んでもらうような待遇の男性副大臣を横目に「朝ご飯をつくり、子どもを学校に送り、オフィスに着くころには既に3時間働いていた。それが私の国の現実」と振り返るが「(女性の負担緩和のためにも)政治や経済の分野に女性がより関わることが大切」と力を込めた。

1973年の軍事政変で空軍将軍の父が投獄され死亡。母とともに拘束、拷問された経験もあるが「過去にとらわれるのでなく、過去に学び現在と未来を築く」ために軍部の改革などに取り組んだことも述べた。

2010年にチリを襲った大地震の際、海軍情報に基づき大統領として「津波は来ない」とラジオで呼び掛けた直後に津波が起き、死者が増えたと批判の声も上がったが、その後も80%台の高支持率を維持した。13年の次期大統領選への出馬意向を尋ねると「今は現職に専念している。もし変わるようなことがあればお知らせします」とかわされたが、ちゃめっ気のこもった笑顔の裏に意欲が垣間見えた。


ゲスト / Guest

  • ミチェル・バチェレ / Michelle BACHELET Jeria

    UNウィメン事務局長 / Executive Director of UN Women

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