2012年05月21日 12:00 〜 13:30 10階ホール
昼食会 井上弘 日本民間放送連盟会長

会見メモ

4月に民放連の会長に就任した、井上弘・TBSホールディングス会長が、地上デジタル化移行後の課題などについて話し、記者の質問に答えた。


司会 日本記者クラブ理事 会田弘継(共同通信)

質問 日本記者クラブ企画委員 川村晃司(テレビ朝日)


民放連のホームページ

http://www.j-ba.or.jp/


会見リポート

地デジ時代 新サービスとビジネスを

鈴木 嘉一 (読売新聞出身)

井上・TBSホールディングス会長が民放連会長に就任して、まもなく2カ月になる。地上デジタル放送(地デジ)移行後の課題などについて、ソフトな物腰で講演した。


東日本大震災のため延期されていた岩手、宮城、福島県でも3月、地デジに完全移行した。「企業の投資は必ずリターンが見込まれるが、地デジ化では何もない。新時代に入った今、放送コンテンツの価値の最大化を図り、新たな放送サービスとビジネスを模索したい」


ラジオは、広告収入の長期低落傾向に歯止めがかからず、若い世代のラジオ離れも指摘されて久しい。「V─Lowマルチメディア放送」への参入が検討されている今、「巨額の設備投資をどうするかなど課題は多いが、いずれはデジタル化せざるをえない。その糸口を見つけたい」。


インターネットに食われている広告費の動向については「テレビや新聞はトロール漁法で、ネットは一本釣り。広告主はスポットCMに回帰している」と、優位性を強調した。NHKとの関係では、ネットによるNHK番組の同時配信を「放送制度上、無理がある」とけん制した。


会場からは、東京電力の社外取締役に内定した数土文夫・NHK経営委員長の兼務問題をめぐる質問が相次いだ。井上会長は「NHKという別の組織のことだが、NHKが東電人事に口を出す要素はないと思う。兼務したとしても、NHKの報道に変化があるとは考えられない」と、そう問題視していなかった。


電力会社の元幹部らが民放の社外役員を務めているケースには、「大震災の前と後では状況が違う。こちらはお願いしにくいし、向こうも引き受けにくいのでは」と語った。数土委員長は5月24日、辞任を表明したが、井上会長には、報道機関の自立性や公平性という観点からの見解をもっと聞きたかった。


ゲスト / Guest

  • 井上弘 / Hiroshi Inoue

    日本 / Japan

    日本民間放送連盟会長 / President, the Japan Commercial Broadcasters Association

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