2012年03月09日 14:00 〜 15:00 10階ホール
ダ・コスタ 東ティモール外相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 川村晃司(テレビ朝日)


会見リポート

日本の投資拡大に期待

淵野 新一 (共同通信外信部)

インドネシアから独立して今年5月で10周年を迎える東ティモール。ダコスタ氏は「わが国は紛争のイメージが強いが、最近は大きな事件も起きておらず、治安は安定している」と訴えて、日本の支援や投資の増加を求めた。


来日は6回目になるが、外相としての公式訪問は今回が初めて。「これまで日本でのプロモーションは弱かったが…」と漏らしたように、独立後、東ティモールが最も頼りにしていたのは、独立支援に熱心だった旧宗主国ポルトガルと隣国オーストラリアだったように思う。


しかし、ポルトガルはいま深刻な財政危機に陥り、オーストラリアとは両国の間にある海底油田「グレートサンライズ」の開発をめぐり激しく対立。日本にとっても関係強化を図るチャンスともいえそうだ。


東ティモールは今年、重要な節目を迎える。ダコスタ氏は3月の大統領選、5月の独立10周年式典、6月末の国会議員選挙と政治日程を説明した上で、今年末には国連平和維持活動(PKO)部隊の「国連東ティモール統合支援団」もついに撤退すると語った。


さらに念願の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟について「2~3年内に前向きな決定がされる」との見通しを示し、2015年のASEAN共同体創設の前には加盟を果たしたいとの意向を明かした。


最近、オーストラリアのメディアを中心に東ティモールへの中国進出を警戒する報道が続いている。中国の援助による大統領宮殿、外務省、防衛省の建設が終わり、国軍兵士宿舎などの建設も予定されるためだ。この件についてダコスタ氏は「中国支援のインフラは目立つので懸念の声が出ているが、中国の支援よりも日本の支援・投資の方がはるかに大きい」と語り、懸念の払拭に努めた。



ゲスト / Guest

  • ザカリアス・アルバノ・ダ・コスタ / Zacarias Albano da Costa

    東ティモール / East Timor

    外相 / Foreign Minister

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