2012年01月12日 16:00 〜 17:00 10階ホール
安住淳 財務相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔 (朝日新聞社)

財務省のホームページ http://www.mof.go.jp/
安住大臣のホームページ http://azumi-jun.jp/index.html

会見リポート

「止めてくれるな、おっかさん」

豊田 洋一 (東京新聞論説委員)

今年最大の政治課題は、消費税率引き上げを含む「社会保障と税の一体改革」だ。消費税の創設や税率引き上げは、挑んだ数々の政権の命運を左右した難題でもある。よほど政治力がなければやり遂げられまい。


2010年参院選で惨敗し、「ねじれ国会」の厳しい状況に直面している今の民主党に、その力が残っているのかはなはだ疑問ではある。が、野田佳彦首相も、その下で財務相を務める安住氏も、その意気込みは並々ならぬものがあるようだ。


「屈指の難題である消費税法案の成立に挑むのは本当に大変なこと。挑む価値がある政策課題だ」


「厳しい国会になることは覚悟の上で一体改革を成し遂げたい」


「首相の決意は固い。花も嵐も踏み越えて、と。私も『止めてくれるな、おっかさん』という気持ちだ」


記者会見の翌週には50歳になった。恒例の揮毫(きごう)に、論語の「五十にして天命を知る」にちなんで「知命」と記したことからも、この時期に財務相を務める運命の巡り合わせを感じているに違いない。


少子高齢化社会の本格的な到来で社会保障費が増大する一方、税収の落ち込みは激しい。ここまで財政が悪化したのは民主党だけの責任ではもちろんない。政権政党の責任として、火中のクリを拾おうという使命感は評価もできよう。


とはいえ、安住氏も会見で言及したように、行政や国会が身を削る姿勢をまず示さないと、国民が消費税増税を受け入れる気になかなかなれないのも、また事実である。


かつては「めざしの土光(敏夫)さん」のように、国の無駄に果敢に切り込んでいった財界人もいた。


今の不幸は、そうした気骨ある人材が財界にも政界にも、容易には見当たらないことにあるのだろう。



ゲスト / Guest

  • 安住淳 / Azumi Jun

    日本 / Japan

    財務相 / Minister of Finance

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